アン・ハサウェイが演じると、誠実さが増し、心に届くストーリーになる。Amazonのプライム・ビデオで独占配信中の新作ロマンスコメディ『アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~』も例外ではありません。40歳のシングルマザーが24歳のアイドルと恋に落ちるという妄想の粋を超えそうにない話を、女性性を開花させるものにまで発展させています。
妄想みたいな設定なのに、出会いのシーンからドキドキ!
アン・ハサウェイ無双映画がまた1つ誕生しました。共演するのは、映画『赤と白とロイヤルブルー』でイギリスのヘンリー王子役を好演したニコラス・ガリツィン。実年齢でもひと回り違う2人が年の差恋愛物語を紡いでいきます。しかも、立ちはだかる障害は年齢だけではありません。40歳のシングルマザーの恋の相手は、世界的に人気を集めるボーイズ・バンド「オーガスト・ムーン」でリードボーカルを務める24歳のアイドルなのです。
妄想を膨らませ過ぎたような設定ですが、アン・ハサウェイが演じるソレーヌがニコラス・ガリツィン演じるヘイズ・キャンベルと運命の出会いを果たすシーンから、うっかり恋愛ファンタジーの世界に浸れます。
高校生の一人娘のあくまでも付き添いで、アメリカの野外音楽フェス「コーチェラ・フェスティバル」に行くことになり、間違って彼の楽屋に迷い込んでしまったことで2人は出会うわけですが、そんなありきたりなくだりさえも、アン・ハサウェイの息遣いが伝わる演技によってドキドキを共有できます。
10代の娘と並んでもまるで姉妹のように見える美貌と聡明さを持つソレーヌですから、超人気アイドル歌手のヘイズが彼女に一目惚れをするのも無理がないと思えるほど。コンサートライブでサプライズの告白ソングを歌ったり、ソレーヌが営むギャラリーのアートを買い占めてしまったり、キスするタイミングを逃さなかったりと、まっしぐらに恋に突き進んでいく様子が清々しく描かれています。
年の差ありのスーパースターとの恋ですから、ソレーヌに葛藤がないわけではありません。躊躇する気持ちとは裏腹に、ネット上に溢れる彼が歌う姿をつい見てしまう。可愛らしいことこの上なく、こうしたコメディ演技も抜群なアン・ハサウェイらしさが発揮される場面も散りばめられています。
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