みけちゃんがここまで長生きしているのは、猫としての生命力の強さあってのもの。よく食べる、よく寝る、日向ぼっこをする、散歩をする、遊ぶ、といった当たり前のことを続けているだけ、ということくらいしか言えません。でも、フォトエッセイではどんな暮らしをしているか、どんなものを食べているかなどもくわしく紹介していますので、気になる人はぜひ読んでみてください。

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歯はあるので、カリカリごはんも問題なし。高齢猫用のごはんにこだわらず、みけちゃんが好きなものをあげている(写真:奥山美奈子)

インスタグラムでは、みけちゃんとの暮らし方についてアドバイスをいただくこともあります。それはありがたいことなのですが、もし、私が人の意見に振り回されてしまったら、みけちゃんを振り回すことになります。かかりつけの獣医師さんに相談しながら、最終的には自分で判断していくしかありません。動物病院の看護師さんに「どれだけ手を尽くしても、やりきったと思っていても、その時が来たら最近のことではなく、何年も前にさかのぼって絶対に後悔するもの」と言われたことがあります。ですから、後悔してしまうもの、ということを心に置きながら今できる精一杯の愛情を注ぎたいです。

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外の風を感じるのも、みけちゃんにとって大切な瞬間のひとつ(写真:奥山美奈子)

私はもともとすごい心配性なのですが、みけちゃんは動じない性格。みけちゃんたちが安心して寝ていると、私も「きっと大丈夫」と思えてきますし、この子たちを守れるのは私なのだから、パニックになっている場合じゃない! と気を引き締めることができます。

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3匹仲良くひなたぼっこ(写真:村上しいこ)

親ばか全開でかわいい我が子の写真を投稿していたら、「いいね!」と言ってくださる方がたくさんいて、素敵なフォトエッセイまで作ることができました。私たちの日常にドラマチックなことはあまり起こりませんが、一日一日を大切に過ごしています。
 

 
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『25歳のみけちゃん』
著者:村上しいこ
定価:1650円(税込)
主婦の友社

人間なら116歳の超長寿猫みけちゃん。歯がほぼありカリカリも食べ、おむつ姿ながら机に飛び上がったりと元気いっぱい。その姿がSNSに登場すると「勇気をもらえる」「尊い」とたちまち注目を集め「長寿猫の希望の星」と有名になりました。飼い主は児童文学作家の村上しいこさん。本書は、江戸中期築の古民家で弟猫2匹と暮らすみけちゃんの日々をつづったフォトエッセイ。24年前、突然村上さんのアパートの部屋に入ってきた三毛猫は、推定1歳で大きな傷を負っていました。その日からの様々なエピソードが村上さんの軽妙な筆致でつづられます。かわいいみけちゃんの写真も満載。食事の種類や与え方、ケアの方法、持病のようすなども詳細に書かれているのでシニアペットと暮らす方にもおすすめ。波乱万丈のドラマはありませんが「あたしは普通に生きてるだけにゃわ」というみけちゃんと暮らす1日1日が、愛おしく、ありがたいと心に響く一冊です。


文・編集/吉川明子
 

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