毎回、明確なイメージ像を準備しているわけではありません。そのシーズンに一番やりそうな格好で出掛け、「このコーデに似合いそうなヘアにしてください」ということもあったし、「切りたい気はするけれど、具体的なものがないんです」と相談したこともありました。わかんないならわかんない、でいいんですよ。大事なのは、他人の前で素直な自分でいること。

失敗しないように先を読み、「こうして、ああして、こういうのはやめてください」って小姑みたいになっても窮屈。勘違いしたくないのは、美容師は自分の手となり思い通りに動いてくれる召使いじゃないんですよね。髪の扱いに長けたプロフェッショナルであり、髪のことを四六時中考え続けてきた人なんですよ。根底にあるのはやっぱり相手への敬意です。この人にしか見えていない私がある。だってサイドも後ろも自分では見えないし、全体像を掴めるのは他人だけですからね。

自分が知らないよさを引き出してくれるのもまた、他人なのだと思います。ときには美容師さんからの提案に素直に乗っかってみる。

「似合う髪型」を手に入れるための近道は「素直な自分」でいること【エディター昼田祥子】_img2
「昼田さんはウルフっぽいのも似合いますよ」と提案されては何度も断ってきた。だって若い頃に大失敗しちゃったから。でも切る人とこちらも変われば、体験は異なるもの。ある日やってみたら新鮮な発見がありました。

他者との協業。毎回が、私と美容師さんで創り上げていくセッション。
私がやるのは“行きたい方向”を決めるだけ。悔いはなし、あとは任せます。

やることやったら相手を信頼して委ねる。

美容師さんでも、仕事の相手でも、家族でも、ママ友でも。
私のコミュニケーションのあり方はすべて同じだなと思っています。
 

 
「似合う髪型」を手に入れるための近道は「素直な自分」でいること【エディター昼田祥子】_img3
 

<新刊紹介>
『1000枚の服を捨てたら、人生がすごい勢いで動き出した話』

著・昼田祥子
¥1540(税込)
講談社

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クローゼットに収納術はいりません。
「クローゼット=本当の自分」にできれば、勝手に整うものだから。
ただ、自分の心地よさに従うこと。
本来の自分を生きるという覚悟を決めること。
捨てられずに人生を詰まらせているものに向き合い、手放していけたとき、人生はすごい速さで自分でも思いがけない方向に進んでいきます。
1000枚の服を溜め込んだファッション雑誌編集者の人生を変えた「服捨て」体験と、誰でもできるその方法を伝えます。 


着用・文/昼田祥子
構成/出原杏子