理想の全てを求め充し続けられる夫婦なんて、難しいと思うんです

岡田:正直、一子のことが不可解なこともありますが、たぶんどの場面にも正解なんてないんですよね。ただ演じていて感じたのは、二也は何があっても絶対に一子のそばにずっといるし、一子が二也の思いとは異なる決断をしても尊重しつづけるし、たとえ一子が矛盾していてもそれをつくようなことはしないと思うんです。


二人が交わす会話の中で、夫婦の関係、互いへの感情は回ごとに、シーンごとにコロコロと変わっていくものの、結局のところこの一点で、視聴者は、やっぱり二也を心底嫌いにはなれません。それはそのまま一子の気持ちであるようにも思います。

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岡田:スタッフの方が言っていたんですが、もしかしたらこのドラマを見て「結婚したくない」と思う人もいるかもしれないし、夫婦で見たら、喧嘩になっちゃう可能性もあります。実際、撮影中はものすごく疲れました。人と会話するって大切だけど、ものすごく疲れるんだなって。でもそれが自分をより成長させ、相手を成長させることもすごく分かったんですよね。理想家って言われそうですけれど、僕も結婚するならそういう家庭にしたいなっていうような勉強にもなりました。ドラマの中の二也のセリフに「一子には信頼と尊敬があり、 美月には欲望と情熱がある」と言うんですが、互いにその全てを相手に求め続け、充足し続けることは難しいと思うんです。子供を持つこと、年齢を重ねること、プライベートや仕事の環境によって、バランスは変化するかもしれない。それを一緒になって臨機応変に乗り越えていくことが、夫婦なんじゃないかなと。『いいふうふ』というタイトルが面白いなと思うのは、そのあり方が夫婦によって違うから。今回は一子と二也の場合の話で、 違うふたりだったらまた全然違ってくると思います。それを2人で探していく、そこに近づいていく過程こそがとても大切だし、僕はいいなと思ったんですよね。
 

 


<INFORMATION>
ドラマ『1122 いいふうふ』
2024年6月14日(金)、PrimeVideoにて世界独占配信!

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©️渡辺ペコ/講談社  ©️murmur Co., Ltd.

毎月第3木曜日は、夫が恋人と過ごす夜―
私たち、「不倫公認」の夫婦やってます。

妻・ウェブデザイナーの相原一子(高畑充希)。夫・文具メーカー勤務の相原二也(岡田将生)。友達のようになんでも話せて仲の良い夫婦。セックスレスで子供がいなくても、ふたりの仲は問題ない……だけど。私たちには“秘密”があるー。それは、毎月第3木曜日の夜、夫が恋人と過ごすこと。

結婚7年目の二人が選択したのは夫婦仲を円満に保つための「婚外恋愛許可制」。二也には、一子も公認の“恋人”がいるのだった。「ふたりでいること」をあきらめないすべての人に届けたい——、30代夫婦のリアル・ライフ。一見いびつで特殊な夫婦の関係に見えるふたり。だけど、結ばれて“めでたしめでたし”で終わる物語のその先は……? これは、「結婚」という〈ハッピーエンド〉の続きにある物語。

原作:渡辺ペコ「1122」(講談社「モーニング・ツー」所載)
脚本:今泉かおり 監督:今泉力哉
企画・プロデュース:佐藤順子
製作・著作:murmur
制作プロダクション:Lat-lon

撮影/榊原裕一
取材・文/渥美志保
構成/坂口彩
 

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