しつこい体調不良は「ねこ背」が原因！？4つのタイプ別ストレッチでねこ背を克服！

 ③ 顔出し型ねこ背 

横から見たときに、体と比べて、顔が前に出ているタイプです。頸椎が前方に傾いているのです。

顔出し型の人は、頸椎がまっすぐになる「ストレートネック」になっているケースが多いです。この頸椎の異常によって、慢性の肩こりや頭痛に悩まされている人も少なくありません。

このタイプにおすすめのストレッチが「顔引っ込め」です。これは、もともと顔が出ている人に、本来の頭の正しいポジションを教える運動です。

【「顔引っ込め」のやり方】
①　思いきり前に顔を突き出す。
②　ゆっくり10秒かけて、正しい位置へと戻す。突き出した顔を戻していき、胸の上に乗せるようなイメージで行うとよい

 ④ 首なし型ねこ背 

円背型、前肩型、顔出し型の3つの特徴を合わせ持つタイプです。4つの中では、最も重症です。肩の大きな筋肉（僧帽筋）が首にかぶさって、首がなくなったように見えます。

ねこ背になると、頸椎が「ストレートネック」になるか、頸椎がさらに反る「反り首」になることがあります。

この首なし型でも、ストレートネックになる人と、反り首になる人がいますが、「首なし型で反り首になる人」が最もリスクが高いと考えています。

反り首の人は、首が反りすぎて、しびれに悩まされる人も少なくありませんし、近い将来に頸椎症を発症する可能性も高くなります。

首なし型の人は、ほかのタイプの人と比べて、なかなか治りにくいのは事実です。

また、なかには「円背型と前肩型」「円背型と顔出し型」といったように、2つのタイプの特徴を合わせ持つ人もいます。

私自身は、前肩型と顔出し型を兼ねたタイプでした。

このように2つのタイプを兼ねたねこ背の人は、それぞれの該当するタイプ別ストレッチを併用するようにしてください。
 

小林篤史（こばやし あつし）さん
1975年、神奈川県横浜市出身。宮前まちの整骨院代表、猫背矯正マイスター®。柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。高校時代にプロ野球選手を目指すも、腰痛などたび重なるケガや体調不良により挫折。その悔しさから日本大学文理学部体育学科に入学し、トレーニング理論、機能解剖学などを研究。2006年に宮前まちの整骨院開院。独自に考案した施術が「持続する猫背矯正」として高い評価を得ている。現在、施術を行うかたわら、一般社団法人日本施術マイスター養成協会代表理事として、姿勢の専門家の育成に尽力している。またメソッドを加えた「整体ショーツ」などの健康グッズの開発にも力を入れる。著書は5万部のベストセラーである『ねこ背は10秒で治せる！』（マキノ出版）、『10秒で治る！子どものねこ背のばし』（かんき出版）ほか累計20万部。現在、日本だけでなく台湾・タイなど海外でも活躍の場を広げている。