情報発信のその先にあるは収益だけじゃない!

そして、気になる収益について。ぶっちゃけ1個のサイトでいくらくらいの収益を目指せばいいのでしょうか?

「正直、金額の目標は立てられないです」と和田さん。

というのも、Googleの仕様が変わり、今、個人サイトは検索で上位に表示されにくくなっています。一方で、SNSや動画サイトなどもプラットフォームの都合で、サービス形態や仕様が変わったり、なくなったりしたりする可能性もあります。

ちなみに、和田さんは、メインはウェブ上のミニサイト、サブとしてSNSやYouTubeを活用し、ミニサイトへ導線として活用しているそう。

収益化の目標が立たないなら、何を目指すの? という疑問が湧いてきます。

「サイトからの収入というよりも、サイトの内容をきっかけに仕事が広がるイメージです。それこそ、話すのがあまり得意じゃない、営業が得意じゃないという人にとって、ミニサイトは強力な営業ツールになります」

最近はオンラインのセミナー講師もしやすくなっています。

別に企業や講座に講師として招かれなくても、スキルシェアサイトで自分で販売したり、Peatixで気軽に自分でイベント作成したりすることもできます。

そのときのプロフィールの裏付けとして詳しいミニサイトがあれば、購入者の判断材料として大きい後押しになります。

 


あなたも書籍が出せるかも!ニッチジャンルの副産物

また、ミニサイトの副産物はほかにもあるそう。

「実は『房総半島素掘りトンネルナビ』と『キューバ旅行情報館』はKindleで販売していて、そこそこ売れているんです」

Amazon Kindleダイレクト・パブリッシング(KDP)は、誰でも無料でセルフ出版ができるプラットフォーム。電子書籍と紙書籍を同時に販売することもできます。

もちろん、規定や制約はありますが、通常の出版よりはるかに簡単で、一般人でも気軽に書籍を作ることができます。

キューバ旅行情報館は、テキストも写真もミニサイトをそのまま書籍化したので、ほぼ手間もなし。

「売れた理由は、あまりガイドブックがない地域だからだと思っています。Kindleだと紙の本を持っていく必要もないので」と和田さんは分析します。

素人が書いたガイド本の需要がそんなにあるなんて、びっくりです。

「専門性はなくてもいいんです。すごい知識のある専門家よりも、初めてキューバ旅行に行った人が自分で集めた情報の方が、役に立つこともあると思うんですよね。初心者がリアルに困った情報は、同じような初心者に必要だったりします」

ちなみに、素掘りトンネルは先日、NHKのニュースに専門家ガイド役として登場したそう。ニッチなジャンルで専門家になるとは、こういうことなんですね!

これからは「見守りテックコーディネーター」の肩書きで活動していく予定の和田さんですが、ミニサイト作りはこれからもずっと続けていくといいます。

「40代になると新しいことを覚える必要がなくなり、私はマンネリ期に入ってしまった気がするんです。

インターネット登場直後の20代のころ、上の世代の人が『ネット広告とかよくわからないし、自分には関係ない』と言っている姿を見て、年を取ってもそうならないようにしようと誓ったんですが、今、スマホやAIなどがどんどん進化していく中で、自分がそうなってしまいそうで。

そこで、40代半ばから『自分プチアップデート』をテーマに、資格をいろいろ取得したり、50代になってからは『1ヵ月チャレンジ』と称して、1ヵ月でできるリスキリングしたりしています。いつまでも軽やかでいたいですね」

自分の好きなこと、興味のあることを少しずつ形にして、種をまく。そして、その中から芽が出たものを広げていく。

ミドル世代以降も楽しく暮らし、稼いでいくために、ミニサイト作りに挑戦してみるのは、まさに趣味と実益を兼ねそうです。


構成/佐野倫子
イラスト/Semo
 

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