国賓としての公式歓迎式典スタイル。豪華レースのコート&スーツのコーディネート

英国訪問の「皇后雅子さまファッション」全7体を徹底解説。カミラ王妃のファッションに込められたメッセージも分析!_img0
2024年6月25日、ウィリアム皇太子が宿泊先にお迎え。写真:代表撮影/ロイター/アフロ
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ホースガーズパレードにて、歓迎式典。
カミラ王妃:ワンピース/アンナ・バレンタイン 帽子/フィリップ・トレーシー バッグ/アンナ・バレンタイン×Charles Laurie London 靴/エリオット・ゼッド 写真:Eyevine/アフロ

英国到着から3日目、いよいよ国賓としての公式な行事がスタートしたのが、この日です。
朝、天皇皇后両陛下の宿泊先にウィリアム皇太子がお迎えにあがられ、その後チャールズ国王とカミラ王妃と公式な御対面、そして歓迎式典にご臨席なさいました。

最も注目された、両国の両陛下が4年ぶりにお会いになる瞬間! その時の両国の王妃ファッションが、いわば言葉なき外交スタイルともいえるでしょう。

私にとって意外でしたが、ここでも皇后雅子さまは白をお召しになり、意図的かそれとも偶然か、カミラ王妃と同じ色でお揃いの2ショットとなりました。
私の勝手な推測では、これは恐らく偶然で、英国側では、日本が英国にちなんだカラー(例えば赤)の可能性を考え、ホスト役として控えめかつ、日本の国旗カラーにちなんだ白にされたのではないかと読んでいます。
なので、私が皇后雅子さまに期待をしたのが、実は日本と英国国旗に共通する色、赤のお洋服だったのですが、さすがに有り得なかった模様……(笑)。

日本国旗カラーである白で、レースの上品な華やかさが、とても皇后雅子さまにお似合いだったスタイル。初見ではとても不思議なデザインに見え「一体どんなデザインなの?」と興味津々で観察すると、立ち襟の部分は中のお洋服で、上に長いレースのコートを羽織っていらっしゃるのです。

お帽子も同様に白をベースにレースが装飾されているのですが、その下には薄いペールブルーが透けています。実はレースのコートからも、光にあたると微妙に同様のブルーが透けて見えるのですが、裏地はないようだし、色の謎は未だわからず、ではありますが……。

豪華なレースのコートは襟元で、パールとダイヤモンドのブローチで留められ、日本らしい華やかさもプラス。ここで、私が注目したのは、コートと下のお洋服とのバランスでした。レースの下からスカートが見える丈バランスは、かなり高度で上級。むしろ新鮮でしたが、これをローヒールで着こなされている皇后雅子さまが素晴らしい、と感動した次第です。

イヤリングは、やはりスタッズ型のパールを合わされましたが、デザインは異なるもの。こちらはパールの周りはをダイヤモンドが彩り、白のレースにはこれがとてもマッチしています。

一方、お隣のカミラ王妃は、鉄板スタイルのフィット&フレアーのワンピースを初お披露目されました。ワンピースがシンプルな分、お帽子はツバが大きく、白黒でアクセントが効いたデザインを選ばれ、靴もヌード系と、全体を控えめゴージャスなスタイルにされました。

ここで注目すべきは、胸元のブローチ! 元は、故エリザベス2世への結婚祝いとして贈られたものですが、203石のホワイトダイヤモンドとともにジョンキル(黄水仙)に形つくられた中心に、珍しいピンクダイヤモンドがあしらわれています。このピンクダイヤモンドが、日本の桜をイメージされて選ばれたのではないかと推測しています。

この後お2人は、馬車パレードで同車され、バッキンガムパレスへと向かわれますが、宮殿内で皇后雅子さまが早着替えの如く、印象を変えられました。
 

 


パレス内では、印象が一変したアレンジ・スタイル

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2024年6月25日、バッキンガムパレスにて、王室コレクションを鑑賞。写真:代表撮影/ロイター/アフロ

馬車にてバッキンガムパレスに到着され、英国王族の方々との午餐会、そしてチャールズ国王ご夫妻やウィリアム皇太子らと日本にゆかりのある王室コレクションをご覧になった時の皇后雅子さまのお姿がこちらです。

ここで、歓迎式典で感じたお洋服の謎が解けることとなりました。
立ち襟の正体はジャケットであり、マーメイドラインにレースが裾に施されたスカートとのスーツをお召しだったのです。レースのコートをお脱ぎになると、室内に相応しいエレガントなスーツスタイルに一変です。

スーツの上質な素材感や季節を考えると、厚手のものを羽織るわけにはいかず、しかしレースであれば軽やかで尚且つ豪華な印象になる上、着脱もし易いはず。パレード前後の公務内容を熟考した上で、考え尽くされたデザインであったことがわかります。