英国滞在最終日。思い出の地を巡る、天皇皇后両陛下スタイル
あっという間に、英国滞在も最終日の28日。恐らく天皇皇后両陛下が最も楽しみにされていたのがこの日ではなかったかと推測しておりましたが、かつて留学されていた思い出の地、オックスフォード大学を御訪問されました。
まずは皇后雅子さまの留学先であるベイリオル・コレッジの後、天皇陛下のマートン・コレッジを御訪問。時期は違えど、同じ大学で留学された両陛下が、懐かしい学舎に初めてご一緒に戻ってこれたことを心からお喜びになっているご様子が伝わり、こちらまで温かい気持ちにさせられました。
しかも、それを証拠に、この時天皇陛下が着けていらしたタイが、なんとオックスフォード大学の物だったのです。内心、童心に帰られ、若さとエネルギーを沢山得られたことと予測致します。
学生時代を彷彿とさせるネイビーのスタイルだった天皇陛下のお隣で、皇后雅子さまは全身白でスッキリまとめられたスーツスタイルでした。ショールカラーに、お着物のような装飾がボタン代わりになった、ジャガードジャケットと同素材のワンピースのアンサンブルに、ベージュのクラッチとパンプス。
真っ白でメリハリをつけるのではなく、ヌーディーなベージュで優しい印象で合わされているところが日本スタイルらしく、また皇后雅子さまらしいと感じました。
ジュエリーも勿論パールで統一されていて、ネックレスは一連で粒が程よく存在感の出るサイズ。イヤリングも、シンプルな一粒の立体的なものをここでは合わされています。また胸には、麦と思しき、実りを象徴するモチーフのブローチも着用されています。
定番でベーシックカラーだからこそ、実は難しい白のワントーンコーディネートですが、これぞ日本のロイヤルスタイルのお手本! と言えるノーブルな皇后雅子さまの白の着こなしでした。
アイメークは色を控えつつも、ラインで目力はプラス。ピンク味のある赤の口紅も、このスタイルと雅子さまにとてもお似合いでした。
日本らしく、控えめでありながら気品あふれるジュエリー使いやコーディネートが素晴らしかったと思いました。
私が勝手に選ぶ、今回の英国公式御訪問ファッションの中で、最も日本流でありロイヤルスタイルの象徴といえるのが、最後のお姿だったと感じております。
文/にしぐち瑞穂
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