カップルのような会話をする義母と夫


「結果から言うと、彼は嘘をついておらす、浮気もしていなかったんですが……。

元夫のスマホを見ると、着信履歴もLINEのトーク履歴もすべて義母で埋まっていました。驚いたのは、彼は義母と1日に平均2〜4回通話をしていて、LINEトークに至っては付き合いたてのカップルみたいにほぼずっと会話をしていました

元夫は『腹へった』『今日は疲れた、眠いよー』というような呟きを無数に送っていて、義母はそれに丁寧に即返信しているんです。『頑張ってね』『〇〇くんは優秀だから、みんなに頼られちゃうもんね』『美保さんは妊娠中なんだから無理させないで、うちに帰ってきなさい』……こんな会話が延々と繰り広げられていました」

また美保さんの知らぬ間に元夫家族は海外旅行を計画していたようで、その旅程やホテルの相談などもしていたそうです。その事実を目にしたとき、衝撃と共に美保さんの頭に浮かんだのは「マザコン」という言葉でした。

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「ちなみにすでにお話した通り、交際中、私たちは遠距離恋愛でした。なので気にしていませんでしたが、たしかに元夫は結婚する30歳手前まで実家暮らしで、一人暮らしの経験もありません。もともとマザコンの気質があったんだと思います。

たぶん、彼は私が妊娠してつまらなくなったんでしょう。浮気よりだいぶマシなのかもしれませんが、再び母親に甘えるようになったんです」

美保さんは元夫に対して愛情はありませんでしたが、しかしもちろん、彼は生まれてくる娘さんの父親。我が子に対する気持ちの温度差は残念に思いつつも、しかし男性はお腹に赤ちゃんを宿すわけではなく、自覚が生まれにくいのはある程度は仕方ないと思っていたそう。

「私はとにかく娘の誕生が楽しみで仕方がなかったので、夫もきっと娘が生まれたら変わるだろう。自分の家族に向けている関心が娘に向くはず。私は性的には彼を愛せなくても、子どもがいれば家族にはなれるはずだと、今思えば酷く楽観的に考えていました……

しかし出産後、元夫は妻の期待に反し、新生児の育児に奮闘する美保さんに構わず、さらに実家に入り浸りマザコンは悪化。

その状況で再び不眠症を患い、とうとう我慢の限界が訪れた美保さんはあるきっかけで離婚を決意しますが、そこで再び、結婚を強く勧めた父親が登場するのです……。

来週の最終回では、厄介な離婚から美保さんがシングルマザーとして自立するまでを詳しく伺っていきます。
 

 

写真/Shutterstock
構成/山本理沙
 
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