見守りカメラからポータブルトイレまで、高齢親の「困った!」はこれで解決!_img0
 

高齢の親がひとりで暮らしていると、何かと心配事が絶えません。さらに自宅で介護をすることになってしまったら、「とにかく大変……!」というイメージがつきまとうのではないでしょうか。ですがそんな介護や高齢親への対応も、ちょっとしたひと手間でグンと楽になってくるもの。特に昨今はさまざまなサービスや商品が出ているので、それを利用しない手はありません。そこで今回は、長く親の介護に携わってきた筆者・渋澤と一緒に、「介護が楽になるひと手間の省き方」を考えていきます。

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団塊ジュニアは41万人が老後貧困に?2025年と2040年問題を前に準備できる3つのこと【プロが作戦を解説】>>

 


お悩み① ひとりで暮らす親の様子が心配……


■介護歴0年/79歳になる母親が九州で一人暮らし。理子さん(48歳)

年老いた親がひとりで生活していると、何かと気になるのが「自分の知らない間に何かあったら……」ということ。たとえ介護が必要ない状態だったとしても、急に自宅で転倒したり体調不良で倒れられたら、後悔が募るかもしれません。

相談者の理子さんもそんな悩みを抱えていました。


理子さん先日、ママ友のお義母さんが急に倒れて大変なことになったという話を聞きました。近所の方が見つけてくださったため一命は取り留めたそうですが、九州でひとりで暮らす自分の母親も、いつ何があってもおかしくないと思うようになりました。かと言って同居とまではいきませんが、少しでも不安が解消される方法はないでしょうか。


渋澤:ご本人の了承を得た上で、場所を相談してから小型で安価なタイプの見守りカメラの設置を検討してみてはいかがでしょうか。スマホでお母様の様子がわかれば、それだけでも精神的にとても楽になると思います。「監視している」といった批判的な意見があるかもしれませんが、姿を確認できる安心感は大切ではないかと私は思います。

見守りカメラに関しては、各社さまざまなものを出しています。たとえば、Amazonの子会社Ringから発売されている屋内用セキュリティカメラ「Ring Indoor Cam(第2世代)」。こちらはコンパクトながら、双方向音声機能やモーション検知機能が搭載されています。専用アプリでライブ映像を確認できるので、親に限らず留守番中のペットの様子などを見守るにも最適。気になるお値段は、本体が4980円、月額350円で利用が可能です。

見守り機能を持ったものは、カメラだけにとどまりません。冷蔵庫やエアコンなどの家電に設置し、使用状況から安否を確認するタイプなど、ライトなものも数多く発売されています。見守り家電に関しては、こちらの記事でさらに詳しく紹介しているのでぜひご覧ください。


見守りサービスの月額費用は0~300円が最多


介護で悩む人向けのコミュニティ「安心介護」会員500名を対象に行った調査では、約半数の方が見守りに関心があると答えたにもかかわらず、利用率はわずか5%という結果が出ました。

利用を躊躇する理由は主に2つで、「見守りサービスがどのようなものかよくわからない」「金銭的な負担がかかる」が上位を占めています。しかし実際にサービスの利用経験があると答えた方の月額費用は0~300円が最も多く、そこまで費用をかけていないことがわかります。

逆に見守りサービスを利用した理由は「自宅で転倒・急な体調不良などの事故があり、それがきっかけで導入した」が最多。次いで「ケアマネジャーから勧められた」「介護保険対象サービスの利用だけでは不安だった」となっています。

活用しているサービスの1位は、利用者が自ら通報する「緊急時通報型」です。次いで今回紹介した「カメラ型」、赤外線センサー、電気ポットや冷蔵庫などの家電連動型を含む「センサー型」が上位という結果に。なお、自治体職員や郵便局員が訪問したり、食事宅配員が見守りを行うサービスは、利用率がやや低い傾向となっています。

 
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