「1日30分」から始めてみる

「体内時計」に従えば仕事がサクサク捗る!? ハーバード&ソルボンヌ大学医師が教える“概日リズム”活用術_img0
 

忙しくてなかなか運動時間を確保できないという方もいるかもしれませんが、運動時間は1日30分でも構いません。

体を動かすのが好きな人、趣味でランニングやトレーニング、そのほかのスポーツに取り組んでいる人は、普段から十分な運動量を確保できていると思いますが、そうでない人に私が推奨しているのが、5分の無酸素運動(筋力トレーニング)と25分の有酸素運動(ウォーキング)の組み合わせです。

筋力トレーニングといっても、ダンベルやマシンを使った本格的なものである必要はありません。

自宅でできる、自分の体重を利用したトレーニングで十分です。腕立て伏せ(プッシュアップ)、スクワット、腹筋・背筋運動(シットアップ・バックエクステンション)の3種類の筋力トレーニングをローテーションで行い、ウォーキングと組み合わせてみてください。

月曜日が腕立て伏せとウォーキング、火曜日がスクワットとウォーキング、水曜日が腹筋・背筋とウォーキング、そして、木曜日がまた腕立て伏せとウォーキングといった具合です。
 

 


昼と夕方に「15分」ずつ歩いて1万歩を目指そう

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ワーケーションの研究の際、何人ものビジネスパーソンの1日の歩数を計測しました。理想である1日1万歩以上の歩数を確保できている方は非常に少なく、多くの人が4000〜5000歩程度にとどまっていました。

これでは明らかに運動量が足りていません。1時間のウォーキングの時間を確保するのは難しいかもしれませんが、昼と夕方に15分ずつ歩く、朝のゴミ捨てのついでに少し散歩をする、駅やオフィス内での移動は階段を使う、オフィスの最寄り駅から1駅、2駅手前で降りて歩く、スーパーやコンビニへの買い物は歩いていくといった具合に、ちょこちょこと歩数を積み重ねていけば、1万歩も達成できるはずです。

運動は健康維持のための重要な柱の1つで、超休息法の重要な柱でもあります。運動が足りない人にとっては、運動の時間は重要な戦略的休息の要素になります。

運動量が増えれば、自然とお腹もすきますし、体がほどよく疲れていれば、就寝もスムーズになります。

生活リズムを整えるために何から手をつけていいかわからないという人は、毎日1万歩を目指してみるのもいいでしょう。
 


●著者プロフィール
根来秀行(ねごろ・ひでゆき)さん

1967年、東京都生まれ。医師、医学博士。ハーバード大学医学部客員教授(Harvard PKD Center Collaborator, Visiting Professor)、ソルボンヌ大学医学部客員教授、奈良県立医科大学医学部客員教授、信州大学特任教授、東京大学客員上級研究員、高野山大学客員教授・評議員、事業構想大学院大学教授。専門は内科学、腎臓病学、抗加齢医学、睡眠医学など多岐にわたり、最先端の臨床、研究、医学教育の分野で国際的に活躍中。2012年に急性腎不全の仕組みの一部を解明し、『PNAS(米国科学アカデミー紀要)』に発表、NHKなどのテレビ、新聞各紙をはじめ、各種メディアでトップニュースとして報道される。2021年コロナ治療薬のメカニズムを発見し、英医学誌に発表、国際的なニュースとなる。現在、臨床治験も進行中。おもな著書に『ハーバード&ソルボンヌ大学根来教授の超呼吸法』『ハーバード&ソルボンヌ大学 Dr.根来が教えるストレスリセット呼吸術』(ともにKADOKAWA)、『「毛細血管」は増やすが勝ち!』(集英社)、『老化は予防できる、治療できる』(ワニブックス)などベストセラー多数。

 

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『ハーバード&ソルボンヌ大学ドクターが教える! 超休息法』
著者:根来秀行 徳間書店 1870円(税込)

激動の時代を生き抜くキーワードは「休息」にあり! 体内時計に基づいてサーカディアンリズム(概日リズム)を合わせ、自律神経を整えるための休息を取ることで、健康につながり、仕事の効率もアップ! 数々の名著を世に送り出してきた医師が、自律神経、体内時計、睡眠、運動、食事、呼吸法、それぞれにフォーカスをあてて、生活の質を向上させる「超休息法」を丁寧に解説します。


写真:Shutterstock
構成/金澤英恵
 

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