日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。
今日ご紹介するのは、親子関係のモヤモヤエピソードです。
「ママ、会社に電話してくれる?」
エピソードをお寄せくださったのは、一人息子が社会人2年目になったというマツコさん(55歳・主婦)。
会社員をしている息子のことで悩んでいます。
親子二人三脚の受験戦争の末、第一希望の大学に入学した息子。あぁ、これで子育てもひと段落……と思っていた私が甘かった。大学時代のほとんどがコロナ禍で、もともと引っ込み思案なところのある息子には厳しい学生生活になってしまいました。
なかなか友人を作れず、かといって学業にも集中できず。とうとう3年生のときには半年ほど引きこもりのようになってしまいました。1年留年してなんとか卒業しましたが、妥協の末に決めた就職先でも、なかなかなじめずにいるようです。
社会人になったからには子離れしなくてはと思うのですが、息子があまりにも辛そうでかわいそうで。社会人2年目になったときにコロナにかかり、見るに見かねて代わりに職場に病欠の電話を入れてあげました。
誰に連絡すればいいのか、体調が悪いことをどう説明すればいいのか、本当に休んで大丈夫なのか……考えがまとまらずパニックになっていた息子。いい大人なのに親が職場に電話するなんてとも思ったのですが、状況が状況なこともあり、上司の方も「それは大変ですね。よく休んでください」と言ってくださってホッとしました。
でも、それが良くなかったのかもしれません。以来、息子はちょっと調子が悪いと「今日体調悪いかも……」「俺、鬱かもしれない……」と言って、私に会社を休むかどうかの判断をあおぐようになってしまいました。
「どこが具合悪いの? 病院に行ったら?」と言っても、押し黙って辛そうにするばかり。なだめすかして会社に送り出すのですが、2ヵ月に一度はこちらも根負けして病欠の連絡を入れてあげることに。夫には「甘やかすのもいい加減にしろ!」と怒られるし、どうしたらいいのか分かりません。
甘やかすのが悪いわけじゃない
息子さんが不安定になってしまっているのですね。一緒に暮らしてその様子を見ているマツコさんはどんなに心配されていることでしょう。「自立させなければ」と思いつつも、いきなり厳しくするのはなかなか難しいですよね。
ご主人に「甘やかすな!」と怒られてしまったとのことですが、甘やかすことが一概に悪いことだとは思いません。コロナ禍で大学時代を過ごし、不本意な社会人デビューをした息子さんは、どんなに不安で心細い思いをしているか……。ご両親と同居できて、いざというときには頼りにできる環境にいられることは幸運ではないでしょうか。無理やり子離れ・親離れしようと突き放してしまったら、息子さんは心の準備がないまま一人で社会に放り出されることになってしまいます。
とはいえ、今のままでいいわけではありませんよね。
マツコさんもご主人も、いつまでも元気で息子さんのサポートをできるわけではありません。また、ご両親の庇護のもとに留まり続けることで、職場の人たちや友人たちから「親離れできない幼稚な人間」などとネガティブな見方をされてしまうかもしれません。
いったいどうやって、息子さんの「リハビリ」をすればいいでしょうか?
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