我が家の猫、天ちゃん。年齢不詳、性別はかつてオス。
夕暮れ時の伊豆、旧天城トンネルの手前に忽然と現れ、「なんでこんな時間にこんなところに猫がいるんだ?」と、そのまま湘南にやってきました。
「天城」からの「天(てん)ちゃん」。
その天ちゃん、ほんのりとさすらい癖があって、以前からちょこちょこ、いや結構大掛かりな迷いっぷりを見せたことも。
最近は、家の周りをぶらりと歩いて戻ってきては
窓開けて〜とみゃーみゃー呼んでくれていたので
私たちもちょっと気持ちが大きくなっていました。
しかし、今回は夜になっても帰ってこない。
翌日も。その翌日も。
「迷い猫です。お電話ください。090-・・・」と迷い札を首から下げているので、そろそろ知らない番号から着信があるんじゃないかしらと思ってみたり・・・。
・・・ん〜。でも心がなんとなくザワザワする・・・。
予感のようなものですね。
「おたくの天ちゃん、うちのソファで寝てますよ〜 笑」
以前にいただいたそんな間抜けでハッピーなお電話をもらえる気がしない。
そんな淡い期待は抱いている場合ではない、と「猫を探しています」の張り紙を貼ることに。
家族総出であちらこちらに張り紙を貼りました。
「あれ?この猫ちゃん見たわよー」と、早速ご近所のおばさんが張り紙を貼っている最中に声をかけてくれました。
「えー!いつ??」
話を聞くと、ちょうど脱走した日の午後のこと。
「あなた、あの方ご存知?猫がいっぱい集まってくる家があるのよ〜」と
案内してくれたり、「あそこはご存知?空き家なんだけれど、あそこもよく猫がいるわよ」と、本当にご親切。
通りすがりのおじさんは「尻っぽが折れてるんだ。ノラ猫かな?うちのもね〜・・・」と、しばし立ち話。
鵠沼海岸、のんびりといいところです。
早速、着信履歴に知らない番号が幾つか続きましたが、すべて目撃情報でした。
中には脱走前の目撃情報もあって、天ちゃんの足跡をたどると、その行動範囲が意外と広くてびっくり!
家ではゴロゴロしてばかりだから、つい呑気な猫だと思い込んでいましたが、どうやら外では大胆に行動している模様・・・。ますます不安が募ります。
嵐のような雨の夜、家族で「いまごろどこにいるんだろう?てんちゃん、雨宿りできているのかな・・・。」そんな話をして、みんなでなんとも悲しい気持ちに。天ちゃん、早く帰ってきて・・・!
そして8日目のお昼頃。
高校生の息子の保護者会のランチ中に、見知らぬ番号からの着信が。
これはきっと!と、席を立って急いで電話に出ると、「いましたよ〜!」と。待っていました、この電話!!!
涙でました、本当に。
ありがとうございます!って何度言ったかもう覚えていません。
夫が迎えに行ったのは、家から海に向かって5分ほどの神社の境内。
・・・そうなんです。意外と近かった。。。
真っ白だったお腹が、何で汚れたのか、真っ黒でべたべた。ピンクでふわふわだった肉球も傷だらけ。そこにいたのは、一回り小さくなった満身創痍の天ちゃんでした。

病院にも通い、日増しに元気になってきて、ようやく以前の白さが戻ってきた天ちゃん。
もう外に出すのはやめよう。家族で意を決しました。
今回の脱走で天ちゃん自身も懲りてくれたらいいんだけれど・・・。
なんでしょう・・・。春だから?
わずかにドアや窓が開いていると、みゃーみゃー外に行こうとします。っていうか、天ちゃん、全然懲りてない。
というわけで、天ちゃん帰宅後1週目の週末にはこんなことに。

「おさんぽしたかったんだねー」と、下の息子は楽しそう。天ちゃんも意外とルンルン。
リードはお兄ちゃんのサーフィン用のリーシュコード。ボードと足をつなぐ紐です。なんというか、もう、いいんです。天ちゃんが逃げなければ、ね。
行きはよいよい・・・。帰りは

つられて、息子も、「ママー、ノド乾いたーーー」。
・・・ママもですよ。がんばれ、小さな仲間たち。
ぶらっと海までおさんぽのつもりが、結構なロングさんぽになってしまいました。
家に戻ってこのありさま。

相変わらずの天ちゃんです。
もうお出かけしないでね。
見つけてくださった少年くんと神社の方、目撃情報をくださった皆々さま、一部の方にはご報告に伺いましたが、本当にどうもありがとうございました。
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