「30万円もらえるなら…」罰金ルールの意外な効き目
「夫に課したルールというのは、『4週間私を誘わなかったら、罰金30万円払う』というものです」
女風にも驚きましたが、思いがけない「罰金」という言葉に、筆者は再び息を飲んでしまいました。
「もう私のほうからいくら頑張ってもプレッシャーを与えるだけで無駄なのはわかった。ならあなたから、あなたのペースで誘ってほしい。ただし1ヵ月以上放置したら私に30万円払うように、と決めたんです」
それを聞いて夫がどんな反応をしたのか非常に気になりますが、彼は「ええ?! 30万円?!」と驚いたものの、特に渋ることなく承諾したそう。
「30万円という金額がおそらくお互いちょうどいいギリギリのラインなんだと思います。夫にとってはもちろんかなりの痛手だけど、絶対に払えない額ではない。私にとっては、誘われないことは腹が立つけど『30万円もらえるならまあいいか』と思える。これがもし10万円だったら、たぶん私の気持ちは鎮まらないので」
ちなみに真子さんはフリーでWEBデザイナーをしており、産休や育休手当はありません。まだ小さな娘さんを育てながらの仕事復帰はどうしても労働量が減り、収入も減ってしまったタイミングなので、この罰金という名の臨時収入はメリットがあると考えていたそう。
「でも不思議なことに、『30万円もらえるなら、まあセックスなんかしなくていいか』という心の余裕が生まれて夫へのプレッシャーが減ったせいか、結局今に至るまで罰金をもらったことはないんです。もちろん夫も、わざわざ30万円払いたくない気持ちが大きいと思いますが」
まさかの罰金制度で、月1回の夫婦関係を順調に保っているという結果には大変驚きました。
しかし女風にしても罰金にしても、普通ならば躊躇いがちな方法を話し合い受け入れるという時点で、真子さん夫婦の絆、心の繋がりが相当に強いのだと感じずにはいられません。
「たぶん最初から罰金ルールにするのではなく、色々と試して、少しずつでも改善していったのが良かったんだと思います。女風の効果もあったはずです。
今では、『欲しいジュエリーがあるから、今月は別に忘れてもいいよ〜』『いや、絶対忘れない!』なんて笑い合う関係になっています。この世の終わりみたいに悩んで、毎晩絶望して泣いてた頃もありましたが……家族愛と夫婦仲は私にとって何より大事なものなので、あきらめないで本当によかった」
この方法がどのカップルのセックスレスにも効くことはないと思いますが、真子さんの努力、正直さ、何よりまっすぐな愛情が夫婦仲改善に繋がったのではないでしょうか。
たとえどんな形であれ、当人同士が満足し、結果が出たならばそれは正解なのだと思います。
普通は公にはできない貴重なお話をシェアしてくださり感謝します。今後もご家族と心地よい関係が続くよう応援しています。
写真/Shutterstock
構成/山本理沙
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