数年後は焼き鳥店のチェーンをやっているかも


また、仕事が二つあることで、どちらかがダメになっても無収入にはならないという安心感も持てています。その安心感があることで、ほかの仕事も始めてみようかという余裕も生まれます。実際に、三つ目の仕事として焼き鳥店を始めようかと考えています。

だって、自分の3年後なんてわかりません。塾経営もサッカーの仕事も絶対に続いているという確信はまったくありません。もしかしたら、3年後には焼き鳥店のチェーンをやっているかもしれません。

これは、私に限ったことではなく、周囲にも同様の生き方を模索している人がたくさんいます。なかでも、30代くらいで転職を重ねている人たちには、まさに「掛け算の転職」をしているケースが多々見受けられます。
 

 


「3年後が想像できる」のは、もう「安定」ではない

凡庸な人ほど「二刀流」を目指そう! AIに仕事を奪われないための、これからの生存戦略_img0
 

教え子の一人は、エンジニアとして働いていたコンピュータ会社から金融業界に転職しました。これまで培ってきた彼のITスキルは、コンピュータ会社にずっと在籍していれば、普通の才能として埋もれてしまったかもしれません。一方、金融業界は、その規模の割にデジタル化が遅れており、かねてより問題視されています。そのアナログな世界に入ったことで、彼はITスキルによって巨大な組織に大きな影響力を持つことができているのです。彼は今後、ITスキルに加え、金融業界で得た知識や人脈なども武器にして、どんどん世界を広げていくことができるはずです。

こうしたケースとは逆に、ずっと一つの企業に勤めている人なら、自分の3年後はだいたい想像がつくでしょう。自分の3年上の先輩や上司を見ればいいのです。それが、ほぼ3年後のあなたの姿です。

いったい、どちらがリスキーなのでしょうか。過去においては、後者のほうがリスクは小さいと考えられました。しかし、AIの登場によってその立場は逆転しています。

「3年後が想像できる」ということは、もう「安定」ではなくなっている。むしろ、「変化に弱い」ということを物語っているのだと知ってください。