大人・子ども問わず、美容ごととして関心の高い「脱毛」。美容クリニックに初めて訪れる患者の多くは脱毛のため、と言っても過言ではないそうです。今回は子どもの脱毛事情について、ウォブクリニック総院長の髙瀬聡子先生と美容エディターの藤井優美さんに教えてもらいます。「脱毛をする適齢期」ってありますか?

第1回「30年前とは様変わりした「ニキビの肌悩み」を解決する方法!洗顔は?お手入れ方法は?皮膚科医と美容エディターとともに考えます」>>

第2回「高校球児もUVケアをする時代!スポーツやレジャーが増える秋。中高生にUVケアの重要性を皮膚科医と美容エディターが伝授!」>>

 


ムダ毛の悩みを何とか解決してあげたい
でも、いつ始めたらいい!?

【子どもの美容】「脱毛はする?しない?何歳からできる?」中高生も大人も悩むムダ毛の処理について考えます! _img0
イラスト:Shutterstock

ムダ毛の悩みは年々、低年齢化してきていて、早い子では小学高学年くらいから悩み始めるそう。脱毛の施術を賛成する親の意見として多かったのは、「子どもの時、(自身が)ムダ毛に悩んでいたから何か解決策を見つけてあげたい」という声。ですが、「脱毛はいつから始めたらいい?」「どんな施術があるの?」など、現在の脱毛事情についてきちんと把握しておきたいということでした。ここで、お二人に聞いてみました。


Q:子どもの脱毛事情、どうなっているの? 相談を受けたらどうする?

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藤井:うちの場合は、私が先回りして娘にアドバイスするため、相談を受けたことはないですね(笑)。基本はカミソリでのケアをして、この後に「家庭用脱毛器のダブル使用をするといいよ〜」とすすめています。

私自身は大人になってからレーザー脱毛をしました。脱毛したい部位のトップとなるワキ・脚・腕を始め、ほぼ全身やりました。脱毛施術の賛否はありますが、私の感想としては、毎回カミソリで剃ったり抜いたりするお手入れが面倒だったし、ムダ毛処理をしていなくてその日着たい服が着られないというのもストレスだったのです。それに剃ると肌を痛めてしまうのも嫌でしたから。これらのストレスから開放されて、「ラクになった〜」というのが一番の感想ですね。

髙瀬:クリニックで脱毛をしている患者さんの中には「うちの子どもの脱毛をお願いしたい」と母娘で相談・来院されることも多々あります。お母さんがムダ毛で悩まれていたから、子どもの脱毛に早くから取り組まれる傾向があるように感じます。

子どもの「脱毛したい部位」は、ワキが圧倒的に多いんです。次いで腕、脚はひざから下を受ける人が多いです。ちなみに大人は、ワキ・腕・脚が多いですが、全身という人も。最近では将来のためにと50代以降でVIOケアをする人も多くなりました。

Q:自分の子どもに脱毛の相談をされたら、どうする?

藤井:クリニックの医療脱毛をすすめます! ただし、施術をスタートさせるのは高校生くらいからと考えていますが、先生、いかがでしょうか?

髙瀬:早い子で小学高学年から中学1年生の頃に母娘でいらっしゃる方もいますが、うちのクリニックでは16歳以上から脱毛の施術を受けられるようにしています。

藤井:年齢制限した理由は何ですか?

髙瀬:成長期にあたる年代は毛根も活性化しているため、今、レーザー脱毛してもまた生えてしまうことがあるからです。ならば、成長期が落ち着くまで待って、それから施術した方が手間も金額も抑えることができますよ。

藤井:中高生はまだ女性ホルモンが安定していないから、脱毛をしたとしてもその後、ストレスなどで濃くなる可能性もありますよね。まずはカミソリで、次にホームケア脱毛器。その後、大学生になった頃にレーザー脱毛というように段階的にすすめようと思っています。

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3つのモードと5段階の照射レベルで、顔・ワキ・脚のほか、ひげの脱毛も可能なオールマイティ光脱毛器。照射時の熱ダメージと痛みを和らげる冷却機能と、同時に美肌ケアもおこなえるアタッチメント付き。脱毛初心者におすすめ。 リファエピ クール ¥68200/MTG


医療レーザーとエステ脱毛のメリット・デメリット、結局どっちがいいの?


脱毛といってもその種類や方法はさまざま。メリット・デメリットについてもおさらいしておきましょう。

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Q:脱毛するなら、医療レーザーとエステ脱毛、どっちがいい!?

髙瀬:脱毛の施術が身近になったとはいえ、機器に関しては医師や看護師の管理下で質の高い施術を受けられる環境であるか否か、確認する必要があります。また、毛の太さや量、肌のコンディションなど、その人に合った施術方法を見つけてあげることが大切です。

少ない回数で脱毛効果を得られるのは、美容クリニックの「医療レーザー」です。成長期の毛根に強い光を集中的に照射してダメージを与えるため、効果が高いのが特徴です。毛の生える周期に合わせて2ヵ月毎にトータルで5回〜7回程度おこなうとベター。ワキ・脚(特にひざ)、それから男の子の場合はひげなど、頑固なムダ毛は医療レーザーのほうが向いています。

もうひとつは、エステなどでおこなわれる「エステ脱毛」施術です。レーザーに比べ光の出力がおだやかなので、広範囲に照射します。うぶ毛にも反応するから美肌効果が期待できます。毛が少ない・薄い人はこちらでも良い場合もあります。

最近ではホームケアの光脱毛器も優秀なものがありますよね。自宅で好きなタイミングでケアができるというのも人気の理由。ですが、美容クリニックで施術を受けるよりも効果は劣ってしまいます。それからどの施術方法にもいえることですが、やけどのリスクがあることを忘れずに。


藤井:ものすごく気にしている人や地黒で家庭用光脱毛器が反応しないなどであれば、エステの脱毛ではなく、たとえ金額があがったとしてもクリニック系をおすすめします。実際、私は過去にエステで肌がやけど状態になり、大変な思いをしたたことがあったので……。カミソリは手軽で価格的な負担が少ないですけど、正しいやり方を知らないと肌を傷つけてしまうこともあります。

髙瀬:カミソリは一番身近なケアアイテムですが、使い方に注意しましょう。ワキなどは「逆ソリ」で肌を傷つけてしまうことも。また、毎日使うことで色素沈着(黒ずみ)のトラブルも。カミソリの正しい剃り方をきちんと教えてあげてくださいね。

それから脱毛した肌はとてもセンシティブな状態なので、肌のケアはいつも以上にていねいにし、紫外線ケアも必ずするようにしてください。夏から脱毛をした方はもちろん、これから脱毛を始める人も、外出の際は欠かさずUV ケアをおこないましょう。

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Q:VIOの脱毛はしたほうがいい!?

藤井:年齢的に中高生はデリケートゾーンを人に見られるのは抵抗があるんじゃないかな。VIO脱毛は大人になってからで大丈夫だと思います。

髙瀬:16歳以下の子どもに関していうと、クリニックでVIO脱毛の相談をされることはほとんどありません。ワキや腕などに比べ、優先順序は高くないからなのでしょう。ですが、20代に入るとグッと増えます。デリケートゾーンのケアは個人の考えによるものが多いですね。

藤井:大人から見て小さな悩みでも、子どもには計り知れないほどの大きな悩みになっていることもありますよね。いきなりVIO脱毛ではハードルが高いから、まずはハサミで長さをカットする、カミソリで形を整える、ホームケア用の脱毛器を上手に使うなどをしてみては? それでも気になるというのであれば、クリニックでの脱毛という選択肢があってもよいと思います。


「脱毛施術は何よりも安全性が第一。どれくらいの期間を要するのか、料金やメンテナンスの有無など、親子でしっかりと話し合うことも大切」と髙瀬先生。疑問があれば信頼できる医療機関に相談して納得のいく施術を受けることが大切ですね。

次回は、一重まぶたを二重にしたい!「プチ整形」について紹介します。

お話を聞いたのは……

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髙瀬聡子先生/ウォブクリニック中目黒 総院長
医療法人社団 愛心高会 理事長・ウォブクリニック中目黒 総院長。2007年1月当院を開設し、医療・美容の観点から多くの患者の肌悩みに寄り添った治療を行っている。『いちばんわかるスキンケアの教科書』(講談社)、『お肌は最強のバリアです』(晶文社)は美容に携わる人たちの間で“スキンケアのバイブル”とも言われている。20歳の長女、14歳の長男のお母さん。

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藤井優美さん/美容エディター
エステティシャンを経て、美容エディターになること約30年。医師をはじめ、多くの研究者に取材することで、美容の“今”を多くの女性誌やWEBで発信中。今年で15歳になる長女には幼児期の頃から美容の英才教育をしている。自他ともに認める美容マニア。

https://dis-moi.co.jp/



取材・文/長谷川真弓
編集/國見 香
 

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