【子ども美容】「二重まぶたにしたい!」という子どもにどうアドバイスする?プチ美容整形事情について医師と美容エディターが答えます!_img0
写真:Shutterstock

子どもの美容事として関心の高い「二重まぶた」を始めとする美容整形。学割制度も設けているクリニックもあるようで、中高生の間では関心の高い施術のひとつでもあります。その一方で、親の立場としては複雑な気持ち。今回はプチ整形・美容整形事情について、ウォブクリニック総院長の髙瀬聡子先生と美容エディターの藤井優美さんに教えてもらいます。

第1回「30年前とは様変わりした「ニキビの肌悩み」を解決する方法!洗顔は?お手入れ方法は?皮膚科医と美容エディターとともに考えます」>>

第2回 「屋外のレジャーはもちろん、毎日のケアが必須に。中高生でもまったなしの「紫外線対策」>>

第3回「脱毛はする?しない?何歳からできる?」中高生も大人も悩むムダ毛の処理について考えます!>>

 

お話を聞いたのは……

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髙瀬聡子先生/ウォブクリニック中目黒 総院長
医療法人社団 愛心高会 理事長・ウォブクリニック中目黒 総院長。2007年1月当院を開設し、医療・美容の観点から多くの患者の肌悩みに寄り添った治療を行っている。『いちばんわかるスキンケアの教科書』(講談社)は美容に携わる人たちの間で“スキンケアのバイブル”とも言われている。20歳の長女、14歳の長男のお母さん。

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藤井優美さん/美容エディター
エステティシャンを経て、美容エディターになること約30年。医師をはじめ、多くの研究者に取材することで、美容の“今”を多くの女性誌やWEBで発信中。今年で15歳になる長女には幼児期の頃から美容の英才教育をしている。自他ともに認める美容マニア。

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親としては複雑な気持ち
二重まぶた美容整形の是非、どうしたらいい?


子どもの願いといえど、施術させていいものか悩む「二重まぶたの美容整形」。「目元を大きく・ぱっちり見せたい」と、整形の相談は年々、若い世代を中心に広がりをみせています。そこで、髙瀬先生と美容エディターの藤井さんに、話を聞いてみました。

Q:子どもに二重まぶたの整形の相談をされたら、どのようにアドバイスしたらいいですか? 

藤井:難しいテーマですよね。うちの子は奥二重で、最近まで片目が一重だったんです。娘いわく、「一重は不愛想に見えるし、怒っているようにみられる」と、気にしていましたね。

私も学生時代の頃、一重の状態だったことがあったので「お母さんも同じで、中学生の頃に両方とも二重になったからちょっと様子を見てみよう。気になるのならアイプチをしたら」と伝えていました。

ところが最近、両目とも(奥)二重になったため、あまり目のことを言わなくなりました。本人的には今の目を気に入っているようなので、こちらから美容整形の話はしませんが、高校生になり、もっと気にするようになれば選択肢として考えると思います。

髙瀬:娘が高校生の時に、ママ友から相談を受けました。うちのクリニックはメスを使った施術はおこなっていないため、「おすすめのクリニックを教えてほしい」という内容で、信頼のおけるクリニックを紹介してあげました。当クリニックにも二重まぶたの美容整形の相談に来る患者さんは多いですが、積極的にすすめることはしませんね。

成長期は誰もが「顔が変わる」時期
ここで美容整形をすると逆効果になるキケンも

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髙瀬:女の子は10歳頃から16歳くらいまでの間に第二成長期を迎えます。体のラインが変わるのと同様、顔立ちも変わる時期なのです。お母さんたちの間でも、「子どもの頃は一重だったのに、知らないうちに二重になった」という経験がありませんでしたか? まるい顔立ちから、あごやフェイスラインがシャープになり、目鼻立ちもしっかりして大人の女性へと変化します。だから、私はこの成長期が過ぎるまで、美容整形をする・しないの答えは待ってもいいと思っています。

二重手術に学生割引が適応されるなど、美容整形のハードルが以前に比べ低くなりましたよね。その一方で、美容整形に伴うリスクがあるということをどれくらいの人が理解しているのか、疑問に感じる時があります。

成長期に美容整形(メス入れ)をすると……メスを入れた部分の成長は、もちろん止まってしまいます。ですが、他のパーツは成長し続けているので、バランスが崩れて上まぶたが引きつった状態になり得るリスクもきちんと把握しておかなければなりません。ひとつバランスが崩れると、ドミノ倒しのように「ここも、あそこも……」と、気づいたら収集がつかなくなってしまう。何でも美容整形すればいい、というのは考えモノです。

藤井:中高生はまだ顔が変わっていくときですし、美容トレンドも変わっていきますよね。だからこそ、まずはアイプチなどで様子を見させます。

Q:それでも子どもがコンプレックスを強く感じている場合、美容整形に踏み切ってもいいのでしょうか?

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藤井:心に影を潜むくらいの悩みを抱えているなら、私はプチ整形をする選択肢があってもいいと思っています。この年頃の子どもたちは私たちが「大したことない」と感じている事でも、重要だったりしますからね。ただし、美容整形をするとしても「埋没法」で、18歳以上になってから。そして、きちんとカウンセリングをしてくれる信頼がおけるクリニックで、と言います。

髙瀬:「埋没法」は上まぶたの筋肉と皮膚の間に糸を通して二重を作る方法で、メスを使わない“プチ整形”のひとつになります。この糸の効果は一般的に3年〜5年と言われていて、時間の経過とともに元に戻ります。
どうしても二重にしたいというお子さんには、埋没法までなら許容の範囲にしてもいいと思いますが、一重のタイプによっては埋没法が適さない人、または施術を受けてもすぐに糸が切れてしまう人もいるため、クリニックできちんと診察してもらいましょう。


「美容整形が身近になった今、情報を正しく得ることが大切になっています。子ども任せにせず、親も一緒に調べることが大事。わからないことがあったらクリニックに問い合わせをしたり、先生に直に診てもらうことも大切なステップです」と髙瀬先生。メリット・デメリットをきちんと理解したうえで、後悔のない選択をしたいですね。



取材・文/長谷川真弓
編集/國見 香
 

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