人気YouTubeチャンネル「GOROGORO KITCHEN」のMamikoこと井筒麻三子さんが、パリでの家探しや新しい暮らし方を綴ります。  

以前の家に比べ、新居はベランダ部分を入れると倍近く広くなった。スペースが倍になるのならばすぐに家も整うでしょ、と思うかもしれない。ところがいざ段ボールから物を出していくと、全くもって片付かないという事態に陥ってしまった。

「日本ってやっぱりすごい」前の家より広くなったのに、新居がまったく片付かない理由【フランス在住・井筒麻三子】_img0
引っ越し後段ボールからは出したものの、収納先がなく床に積み上げられたグッズあれこれ。本は、収納する本棚はあるものの「素敵じゃない本(文庫本やテキスト、書類など)をリビングには置きたくない」という夫の意見に阻まれ、行き場を失っている。

薄々わかっていたことなのだけれど、これは新居に作り付けの収納というものが非常に少ないことが理由だ。あるのは、キッチンおよび洗面所の収納と、ベッドルーム1の小さめクローゼット(ベッドルーム2には何も収納がない)、廊下の端っこにあるクローゼット兼の戸棚。90平米もあるのに、収納スペースはそれだけ。

住居は、平米数があれば良いというものではない。片付いて見えるかどうかは収納の有無がかなりのウエイトを占めるのだと、今更ながら痛感させられた。

 

しかし考えてみると、パリの住居の多くは収納スペースが少ない気がする。そもそも建物が古くて利便性は低いし(築100年超えはザラ)、フランス人は日本人のように、不便を感じたらすぐに改善するというマインドがあまりない。日本に帰って100均などに行くと、痒いところに手が届く新アイテムが毎年登場しており、それもどんどん進化し続けていることに驚く。

対してフランスで売っているインテリアやキッチングッズは、パリに移住すべくやって来た10年前からほぼ変化なし。その感覚ゆえ、「収納が少ないなあ」となっても、日本のように「ではリフォームの際には、壁一面収納を作ろう」などということにはならないのかもしれない。

 
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