立場が弱い人は、他人の力を借りてでも悪意を拒絶するべし

既読スルーや書類隠し、意図的な未伝達...そんな「ずるい攻撃」を、きちんと見抜いて跳ね返すには?_img0
 

しかし、対人恐怖が強い「怯える人」はなかなかすぐにはその特効薬が使えません。

だからまずは自分自身がそのような悪意をなぜ受け取ってしまうのか、なぜ支配下に入ってしまうのか、そのような攻撃的な人物を何よりも恐れているのは、何かのトラウマや恐怖の経験や、支配的な親に育てられた経験から出てきたものか、を精査して掘り下げていくことが必要になります。

そうすると原因になるものが必ず見つかります。

 

私は幼少期にいじめを受けてきたのですが、その自分の経験から考えても、そうです。相手の攻撃をどこかで無意識に避けて、自分の意見や言葉を自分自身が表現せずに、相手にどこかで嫌われることを恐れて屈していたことを思い出します。

嫌われることを恐れて相手にいい顔をすることが、かえって相手の攻撃性を引き出してしまうことも学びました。

相手はあなたを使って自分の不満やストレスを解消しようとしているわけですから、あなたには関係のないものをぶつけられている、と解釈したらいいでしょう。

ですから、相手のいじめや意地悪を受け取らない、ノーと言って断る、自分の立場が弱い場合はより強い立場の人の力を借りる、公に訴える。つまり、いじめや悪意をそのままにしない、という態度が非常に大事なのです。

著者プロフィール
大鶴和江(おおつる かずえ)さん

心理セラピスト・心理分析・リトリーブサイコセラピー講師。児童養護施設での養育体験から自己不全感に悩み、さまざまな心理学や心理療法を学び、心理セラピストとして独立。20年間で延べ1万人以上の心の悩みを解決してきた。独自の心理療法「リトリーブサイコセラピー」を考案し、問題の利得と未来への葛藤にフォーカスしたセラピースタイルは「悩みがリバウンドしなくなる」と評判。著書に『自分を縛る“禁止令”を解く方法: 見えない「利得」に気づくと、すべての問題は解決する』(大和出版)などがある。

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『「ずるい攻撃」をする人たち』
著者:大鶴和江 青春出版社 1155円(税込)

既読スルーする、無視する、被害者ポジションをとる、サボる、ため息でアピール、わざとミスをする、弱さを武器にする、しつけという名の支配をする、など。周りからは見えづらい「ずるい攻撃」する人の心理と、その攻撃から身を守る方法を、経験豊富な心理セラピストが解説します。対人関係における原因不明のイラつきやモヤモヤ、違和感を解消する手立てとなってくれる一冊です。


写真:Shutterstock
構成/さくま健太
 
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