今、注目を集めている女性皇族がいます。彬子(あきこ)女王がオックスフォード大学での日々を綴った著書『赤と青のガウン オックスフォード留学記』や、お住まいの京都の通りの魅力を伝えるエッセイ『京都 ものがたりの道』が多くの人に読まれているのです。

ページを開いてみると、そこにはみずみずしい女性の感性がきらめいていて、思わず引き込まれてしまいます。彬子女王の生き方からは、私たちが学べることがありそうです。まずは、「彬子女王ってどんな方?」というところから、紐解いてみましょう。

【彬子女王ってどんな方?】『赤と青のガウン オックスフォード留学記』が大人気。自ら人生を切り開くお姿に憧れる女性多数_img0
即位礼正殿の儀の折、十二単姿の彬子さま(2019年10月) 写真提供/宮内庁


天皇の血を男子直系で受け継ぐ女性皇族


9月16日、テレビ朝日『徹子の部屋』に彬子さまがご出演されました。番組で黒柳さんからの質問に対して、彬子さまはご自分のことばで話されていて、もう目が釘付け。「こんなユニークな女性皇族がいたなんて!」と、感慨深かった方も多いのではないでしょうか。

彬子さまは大正天皇の男系のひ孫にあたります。父は「ひげの殿下」として親しまれた三笠宮家の寛仁(ともひと)親王で、今の天皇陛下とは再従妹(はとこ)の間がら。皇室内での立場であるご身位は「女王」であり、日本のプリンセスです。

 

『赤と青のガウン』には、彬子さまが2001年9月から一年間と、一度帰国して学習院大学を卒業し、再び2004年9月から5年間、2回に分けて英国オックスフォード大学マートン・コレッジに留学した際のできごとが綴られています。はじめて側衛(警護の人)をつけずに一人で歩いた街、友人との語らい、自炊の楽しみ、格安チケットで思わぬ目にあったヨーロッパ一人旅……。本の中には20代の女性のワクワクした好奇心と喜び、悩みや支えてくれる人々のやさしさがいっぱい詰まっています。

プリンセスだけれど、そこにいるのは一人の元気な明るい女性。折にふれ登場する「皇族のためパスポートをもらえず、1回限りしか使えない茶色い『外交旅券』を渡される」などといった皇室のきまりごとに、「ああ、この方はプリンセスだったのよね」と思い出すほどです。

1回目のご留学は聴講生としてでしたが、2回目は学位取得を目的とした大学院でしたから、覚悟が違いました。博士論文は指導教授のダメ出しによって検討し直し、書き直しの連続。何度もくじけそうになりながら最後までやり通し、みごと博士号を取得して身にまとったのが、「赤と青のガウン」だったのです。