食べ物の味がしない、お腹がすかない...大切な人と別れ、暗い沼の底に沈んだからこそ得たもの【MEGUMI】

私の第２フェーズは「弱さを背負って、強く生きていく」こと

今回の経験は本当に辛かったけれど、よかったなと思うのは、自分の中の究極的な弱さや痛みを知ったこと。

私は小さなころから鍵っ子で、孤独みたいなものは自分の行動で対処できてきたし、悩みも自己解決するような子でした。でも人前で感情的に泣くことが苦手な私にとって、今回気持ちが爆発して涙が止まらないという経験を通して、感情のスイッチに気づけたことは大きな成長だったなと思っています。

今は、弱さを背負って、強く生きていく、という第２フェーズに入ったような気がしています。

弱さがあるってしんどいな、って思うけど、それがあるおかげで自分のための調整がかかっているような気もします。日々、激しい環境にいる分、一回クールダウンも必要。弱さが私をまっとうな人間にしてくれているのかな、と。

この傷は、いつか人に寄り添えるときのために

人は調子がいいときって弱かった自分を忘れたりするものです。私も、母として、女性としての経験を積んで、何でも分かったような気がしてしまいがちです。それは愚かなことで怖いこと。痛みがあるということは決して恥ずかしいことではないし、自分に傷がないと他人の痛みを理解することはできない。いつか人に寄り添えるときのために、このときの自分の気持ちを忘れてはいけないと心から思っています。

先日、仕事で訪れた海外でひとり早朝に散歩をしていたとき、ふと心に降りてきたことを思わずメモしたことがありました。

それは「痛みとともに生きていく」という言葉。結局、そういうことなんだと。静かに受け止めて前を向くことができた時間でした。

これからは一層「女性が幸せに生きる」という私の人生の一番のテーマとともに、女性としての辛さや不安、母親としての悩みなど、たくさんの痛みを正直に分かち合っていきたい。そして自分をケアする喜びと、幸せに生きるヒントを皆さんと共有していけたらいいなと思っています。

※このインタビューは書籍『心に効く美容』に掲載されています。

第１回「シングルマザーの母に育ててもらい、水着でバンジーを飛んだ私が、巣立つ息子に伝えたいただ一つのこと【MEGUMI】」＞＞