フレグランスは人となりを表すもの
――フレグランスはいかがでしょう? どのような香りを、どのようなシーンで、など、お二人のフレグランスのまとい方についても教えてください。
松本 私は先ほど言ったように、空間への香りは余裕があるときだけ楽しむという感じなんですけど、フレグランスを着けるのは好きで。好みもハッキリしていて、甘いフラワー系が苦手で、柑橘系の青苦い感じが好きというか。だから「柑橘」とか「青い」「苦い」というのが、香水選びのときのキーワードになっていますね。
美香 フレグランスも大好き! でも香りの選び方はすごく変わってきましたね。昔はブランドで選んでいたのが、今はあらゆる香りを試して、自分が「好き」と思ったものを着けるようになりました。だからなのか、人から「いい香り。どこの?」と聞かれることが増えたんです。香りを褒められると、自分への自信になりますよね。
松本 どこの香りかって、好感を持っている相手にしか絶対聞かないですからね。
美香 私は人の香りにも関心が高いんですけど、どういう香りをまとっているかで、その人の人となりが見える気がするから。それがちょっと、相手を知れた感じがして楽しいんです。
松本 まさにおっしゃる通りの体験をしたことがあって。私は今年、絵本を書いてリリースさせてもらったんですけど、その製作期間中、無意識にエルメスのシトロン ノワールをずっと着けていたんですね。そうしたら、絵本を作り始めのときに知り合った営業担当の方から、知り合って半年後ぐらいにこんなことを言われたんです。「松本さんて最初にお会いしたときにマニッシュな香りを着けていたから、性格もマニッシュなんじゃないかなと思っていたんですけど、やっぱりそうでした」って。
美香 すごい! 香りって本当にその人が分かるんですよ。
松本 以前は、洋服とのギャップを作ろうという意識で香りを選んでいて。でも年齢を重ねるとどんどんワガママになって、今は「この香り大好き!」だけで選んでいる。そうするとキャラクターとのトーンが揃うんでしょうね。「自分がどういう人間か」を香りが表す度合もより高くなっている気がします。
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