いつの自分になりたいの?と問うてみて

50代から「知性のある人が美しい」は実はキレイごとじゃなくリアルになる! 情報に支配されない美容意識をどう磨く?【松本千登世・美香】_img0
 

――情報の取捨選択が大事なのは分かるのですが、何を基準に取捨選択していけばいいのかがイマイチ分からないというか……。たとえばスキンケア一つとっても、シワ、しみ、美白、ハリなどと、それこそ“項目”は無限にあって……。

松本 分かります。美しくはなりたいけど、ときどき「美しくなる」というフレーズがプレッシャーに感じられることがあって。老けちゃダメですか? ほうれい線があっちゃダメですか? と思ったりするんですよね。最近は化粧品会社もそんなふうに感じ始めているところが出てきていて、美しくなることを強要しない風潮も生まれています。やれることを頑張ればいいのであって、やれないことはやらなくていいと。

美香 私ね、50代になって気づいたんですよ。50歳も過ぎたら、大事なのはいつの自分になりたいのか? と問うことだと。だって整形手術をしたとしても、20代や30代の自分にはなれないじゃないですか。そう考えたら、見るべきは過去じゃなくて未来だなと思ったんです。それからは、今の自分の頑張りが5年後につながっていく、という気持ちでケアをするようになって。そうしたらケアも怠らないようになりました。だって、5年後むくんだ顔になりたくない!とか思いますから。

松本 そう言われたら、私の「こうありたい」は明確で、“人に会って笑える肌かどうか”なんです。つまり“体調がいい”の顔版ですね。そうすると、やはり保湿が大事だというところにたどり着いたんですよね。以前は全てのケアを一緒くたにしてサボっていたんですけど、今はアイケアはアイケア、むくみケアはむくみケア、と丁寧におこなうようになりました。そうすると、まさに“体調のいい顔”が作れる。これは5年後も続けていると思います。

美香 私もありとあらゆる情報を得て試してみてたどり着いたのは、年齢を重ねるほど保湿が大事になってくる、ということでした。ちなみに個人的には、与える一辺倒じゃなくてしっかり浄化してから保湿すると、それこそ顔の体調がいいなと感じていて。だから最近は、クレイ洗顔をしてシートマスク、というプロセスが気に入っています。

松本 体調の良い顔を作り続けるのって、美しく老ける、ということでもありますよね。老けちゃダメですか?と言っても、無駄に老けたくはないですから(笑)。

美香 スキンケアを日々丁寧にやっていると、肌って全然違ってくる。美容医療は鮮やかな再生をもたらしてくれるけど、持久力が違いますよね。だから私は、共存を目指していて。こつこつケアと美容医療をもって持久力と瞬発力のシナジーを上手く生み出す、という。そこは知識と情報が重要になってくると思うんですけど。