マニフェステーションで目指すべきは「高次の欲求」


「大金持ちになりたい」「美しい外見を手に入れたい」──わたしたちは目に見えるわかりやすい成功を目指しがちですが、ドゥティ氏は、マニフェステーションはこういった物質主義的な願望だけを目指すものではないと言っています。

「マニフェステーションの本質は、物質的な所有物を獲得することとは関係ない。ある意味で、物質的な豊かさだけを求めるのは、夢が小さすぎると言えるだろう」

マニフェステーションが最終的に目指す願望は、もっと高次にあるようです。ドゥティ氏は「マズローの欲求5段階説」を引き合いに、高次の欲求がどのように生じるのかを説明しています。

「マズローによると、人間の欲求は5段階に分かれ、ピラミッド型の階層構造になっている。『自己実現』といういちばん上にある欲求を実現するには、その下にある基本的な欲求を満たさなければならない。食事や水といった生理的な欲求や、住む家や服といった安全の欲求だ。それが満たされてはじめてわたしたちは、他者とのつながりや、意義深い仕事といった高次の欲求をもつことができる」

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どうやらマニフェステーションが目指すのは、生理的欲求→安全の欲求→社会的欲求→承認欲求という4つの欲求の段階を経て最終的に到達する「自己実現欲求」の実現にあるようです。先ほど挙げたような物質主義的成功は、マズローのピラミッドでは低次に属するもの。一方、ピラミッドの頂点に位置する自己実現欲求は、自分にしかできないことを成し遂げたい、自分らしく生きていきたい、というより壮大な欲求ですよね。

 

ただ、人間の欲求というのはどんどん増えて行く一方で、新しい欲求が生まれたらこれまでの欲求が消えるというものではないですよね。ドゥティ氏は、欲求が増えすぎて渋滞が生じることも織り込み済みで、マニフェステーションのプラクティスを考案したようです。

「欲求や希望、夢や野心がありすぎると、混乱してわけがわからなくなるかもしれない。そんなときは、自分にとっての成功のビジョンをじっくりふり返ってみよう。あなたにとって、成功とはどういう意味だろう? それはどんなふうに見えて、どんなふうに感じるか? 次のプラクティスを行えば、自分が本当に求める成功の姿がはっきり見えてくる」

次ページからは具体的なプラクティスをご紹介。ぜひ、しっかりプロセスを踏んで「自分が本当に求める成功の姿」を見つけ出してください!