職業病? 映画も本も打算的な視点で見てしまう
筆者は今の仕事を始めて、意外な弊害にぶち当たりました。本を読んで書評を書く、映画やドラマを観てレビューを書く、という仕事を始めて、本や映画、ドラマを純粋に楽しめなくなったんです。「あーどこかネタになりそうなところないかなー」「面白そうだけど記事にはならなそうだな」——そんな打算的な目でしか見られなくなり、まっさらな状態で作品に浸ることが難しくなってしまいました。
書くこと自体が好きでも、当然ながら自分が好きなことだけを書けるわけではありません。企画が通らないと書けないし、生活のためにはときにはプライドを曲げて、気が乗らない案件を引き受けないといけないことだってあります。そうなると、やっぱり嫌気が差すときってあるんです。それだったら、趣味のブログで何のしがらみもなく自由気ままに書くほうが場合によっては幸せだと思います。
二番目くらいに好きなことを仕事にするのがちょうどいい
仕事にする以上、絶対に数字が伴うんです。売上、PV、ファンの数、ノルマ……。そうなると、ただやりたいことをやるだけではダメで、ある程度多くの人に“ウケる”ような要素を入れる必要があったり、売り方を考えなきゃいけないこともあります。つまり、かならず制約が伴う、ということでもあるのです。
そういった経験があるので、「好きなことをしてお金ももらえるなんてラッキー!」とはいかない現実を強く感じます。
二番目に好きな仕事の方が上手くいく、というのは、この道しかない、と思い詰めすぎたり、理想を強く抱きすぎることで心が折れやすくなってしまうリスク、また一番好きなことを仕事にしてしまうと義務やノルマ、責任が生じて好きなことが嫌いになってしまうリスクがあるからなのかもしれません。
一番好きなことは趣味にして、二番目くらいに好きなことを仕事にするのがちょうどいいのだと思います。
写真:shutterstock
文/ヒオカ
構成/金澤英恵
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