なちゃるさんからの質問
Q.
貧しいながら娘二人との生活が成り立ってしまった今、 離婚のタイミングがつかめない。

別居をしてもうすぐ一年です。母子手当も貰わず、苦しいながらもどうにか娘と二人の生活が成り立ってしまっているので、どこで離婚の決断をすればいいのか分からなくなってしまい悩んでいます。何か良い手だてはありませんでしょうか?(42歳)

特別ゲスト 原口未緒先生の回答
A.
離婚のためにご主人と顔を合わせるのが嫌なら、 調停離婚に持ち込めば大丈夫です。

正式に離婚をすれば母子手当がもらえて生活がラクになるのに、それでも離婚を決断できないというのは、他に何か原因があるのではないでしょうか……? 激しく揉めそうとか、あるいは夫が暴力的なので対峙するのが怖いとか。そういう方には、調停離婚をお勧めします。

ここでちょっと説明しておきますね。離婚するには、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つの方法があります。

協議離婚とは、お互いに話し合って離婚合意すること。夫婦だけで話し合う場合もあれば、弁護士などの代理人が入って話し合いを進める場合もあります。もしなちゃるさんが協議離婚をされるなら、慰謝料や養育費の支払い、また父親と子供の面会数などについて、「公正証書」という形で文書を残しておくようにしましょう。公正証書は、公証役場に行けば作ることができます。公正証書があれば、もし離婚後、養育費などの支払いがされなくなっても、裁判所に申し立てすれば夫の財産を差し押さえることができるので、大変安心です。

裁判離婚は、調停で話がつかなかった場合に、法廷で離婚したい理由などの証言をして裁判官の判断をあおぐ、という方法。判決に拘束力があり白黒ハッキリさせられますが、判決に納得がいかないと上訴が必要になり、時間もお金も膨大にかかります。精神的ダメージが大きいので、お勧めはできませんね。

さて、2人の話し合いで上手くいかなかったので、裁判所を介して話し合いをしたい――。そんな方が選ばれるのが、調停離婚という方法です。月に1回のペースで裁判所に呼ばれ、離婚したい理由や離婚の際に望む条件などを離婚調停委員に話します。これは夫婦別々に話を聞かれるので、もしなちゃるさんが夫と顔を合わせるのが怖いのでしたら、その必要性はありませんよ。調停では、基本的には顔を合わせないよう取りはかってくれますから(ただし東京家裁では、最初に調停制度の説明のため、同席を求められます)。

もしかして調停離婚と聞くと、「弁護士を頼まなきゃいけない、そんなお金はない」と懸念されていらっしゃいますか? でも安心してください。必ずしも弁護士を頼む必要はありません。裁判所に申し立てをすれば、自分一人で手続きできますから。調停は、原則として口頭でおこなわれるものですので、手続き的にも書類などが少なくユルめ。裁判のように厳しいものでは全くありませんよ。もちろん弁護士をつけたほうがより安心ではありますが、漠然と「大変そう」と思って敬遠されているのなら、まずは離婚調停について裁判所で聞いてみるなど、調べるところから始めてみてください。「なんだ、意外と簡単かも」と、アッサリ決断できるかもしれませんよ。

離婚というのはたしかに面倒で、ズルズルとそのままにしてしまう人も多いものです。でも大事なのは、自分の人生をいかに心地よいものにするか。そこをしっかり考えてほしいと思います!

いかがですか?
原口先生の回答、ぜひご参考になさってください。
原口先生の回答一覧を見る

PROFILE
  • 原口未緒(はらぐちみお)1975年生まれ。弁護士。学習院大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。民事、商事、家事、刑事、倒産処理、債務整理など様々な案件を担当した後、2010年に「未緒法律事務所」を開所。夫婦、離婚案件を主に扱っている。法的な解決策を提案するだけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー手法を取り入れ、「心のケアもする弁護士」として人気がある。著書に『こじらせない離婚 「この結婚もうムリ」と思ったら読む本』(ダイヤモンド社)がある。自身は3度の離婚を経て、現在4度目の結婚をし第一子を妊娠中。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る