mokkinさんからの質問
Q.
病気を機に夫から自由になりたいと思うように。こんな離婚理由は認められますか?

51歳にして乳がんが見つかり、ショックなことに転移もありました。手術、放射線治療を受けて、今は経過観察に入れたのですが、死を意識したときに「もう夫と一緒にいたくない」と強く思いました。浮気など、夫に決定的な非があるわけではありません。ですが、亭主関白で家のことは一切せず、女の私が意見を言うと大声で怒るなど、リスペクトのない態度に嫌気がさしているのです。こんな理由で離婚は認められるのでしょうか。子供が2人(大学生と高校生)いますし、再発の恐れもありますし、お金ももらえるだけもらいたいのが本音です。

特別ゲスト 原口未緒先生の回答
A.
解決を急がれるのなら、まずは別居をされて、 お金も治療費だけ請求されるのが良いかもしれません。

先日相談に来られた方も、「重い病気をしたときに、夫に看取られたくないと思った」と離婚したい理由をおっしゃられていました。病を機に離婚を考えられる方は、けっこういらっしゃるものです。

……ですが、離婚は難しいでしょう。夫側に決定的な非があるわけではないので、裁判でも認められないでしょうし、夫自身も離婚には応じないでしょう。そうなると、包み隠さず話すしかありません。「死を意識したときに……」と。そこでショックを受けて反省するか、亭主関白が出て「食わしてやってるのに何の文句があるんだ!」と怒鳴るか、あるいはモラハラ夫らしく「そんな体で一人になって、治療費はどうするんだ?」と理詰めでくるか……。たとえ別居をしたとしても、「一時の気の迷いだ」と、それでも本気にしない夫もいるものです。ですからこの場合、夫に気持ちを伝えて、別居をして、それでも応じてくれないなら離婚調停を起こして……と、一つずつコトを進めていくしかないでしょう。

ただご病気をされて体も万全ではないでしょうから、家を出て行くのは大変だと思います。家を出られないならコツコツ伝えるしかありませんが、怒鳴られるようでしたら、手紙で伝えたり、身内や共通の友人など第三者に立ち会ってもらうようにしてください。そうすると夫も、さすがに大声は出せないと思いますから。ここで大事なのは、第三者の口から伝えてもらうのではなく、mokkinさんの口から直接伝えることです。しかも、オブラートに包んで伝えたのでもダメ。モラハラ夫というのは、奥さんの口から決定的なことを言われない限り、「本当に妻がそんなことを言っているのか?」と信じようとしませんから。とにかくストレートに。病気のこともありますし、あまり悠長なことも言ってられませんしね。

こういうことをやって初めて、ようやく夫は「分かった」となるものです。もちろん「分かった」というのは、離婚したい理由についてではなく、離婚したい気持ちについて、ですが……。

さて取れるお金のことですが、これまでの私が担当してきたケースから見ますと、50代ぐらいの男性はケチな人が多いです。「離婚はするがお金は出さない」という人も少なくないほど。その場合は、とにかく離れたいのか、お金をとるのか、mokkinさんがどちらかを選ぶしかありません。ただお悩みを読ませていただいた限りでは、まずは別居して離れられたほうが良さそうな気はしますが……。そして調停を起こせば、最低限の財産分与は受けられますから。ただしそこまでには3年ぐらいかかると思いますが……。

ですから「治療費だけ出してくれればあとはいらない」と交渉するのも手だと思います。治療費だけと言えば額も大きすぎない印象がありますし、夫も人でなしではないでしょうから、応じてくれやすいと思われます。「顔は見たくない、でも財産はください」ではなかなか上手くいきにくいですから、自分なりの譲歩点を是非一度考えられてみてください。

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PROFILE
  • 原口未緒(はらぐちみお)1975年生まれ。弁護士。学習院大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。民事、商事、家事、刑事、倒産処理、債務整理など様々な案件を担当した後、2010年に「未緒法律事務所」を開所。夫婦、離婚案件を主に扱っている。法的な解決策を提案するだけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー手法を取り入れ、「心のケアもする弁護士」として人気がある。著書に『「この結婚もうムリ」と思ったら読む本 こじらせない離婚』(ダイヤモンド社)がある。自身は3度の離婚を経て、現在4度目の結婚をし、第一子をもうける。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る