ヒヤシンスは花の下で切って、少し岳水を入れたグラスに。 葉も短めに切って。周りに刺す。小さく生けるからこそ目立つ、華やかさもある。

先日、仕事で訪れたベルギーで、素敵なランチにお招き頂きました。古城レストランの庭での食事。そこから見えるのは、まさに絵のような田園風景でした。ひと足早い初夏の日差しの中、ゆったりと語らいながらいただくランチは、料理はもちろんですが、その時間と空間が素晴らしく、それは間違いなく至福の時間でした。真っ白いテーブルクロスの真ん中には、グラスに短く生けられた白いヒヤシンス。外での食事にふさわしく、気取らず、風に倒されないよう実用的に生けられています。ふとした時に感じる、馥郁とした香り。その花の生け方に、センスとは「無理のない美しさ」のこと、と改めて思ったのでした。

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