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ルール化することでムダを省く

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ジーンズはジャケットにも白シャツにも合うインディゴカラー主義。長年履き込んで、柔らかく肌になじむようになった自分だけの一着。
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アクセサリーはこのダイヤのピアスだけ。「同じものを毎日変わることなく身につけている人を、人は無意識に信頼する」とドミニックさんは言う。

皆さんはクローゼットの中にたくさんのバッグを持っていると思いますが、私は「バッグは3つ」と決めています。普段使いのミッデイバッグと、あとはポシェットと大きめのトートバッグ。これまで世界中を旅する生活を送ってきて、この3つさえあればあとは必要ない、という結論に達したのです。ですから出かけるときも、バッグ選びには迷いません。「普段はミッデイバッグ」、「旅なら大きめのトートバッグ」というふうに、目的によってどのバッグを使うか決まっているからです。

同じように、洋服選びも迷うことはありません。こちらも、家で過ごすとき用、お出かけ用、仕事用などと用途別に着るものを決めているから。このようにあらゆることをルール化してしまえば、「どのバッグにしようか」「何を着ていこうか」と悩む時間がなくなります。その分、音楽を聴いたり、木や空といった自然を眺めたりする時間が増える。これが私にはとても大事なことなのです。

女優のもたいまさこさん主演の『めがね』という映画があります。この中で主人公はある島に降り立つのですが、その島の人たちは何をするでもなく「ただ、たそがれたい」とぶらぶらしているんです。これを英語では「トワイライトする」と言うのですが、私にとっての幸せはそんな時間をたくさん持つこと。そのためにムダを削ぎ落すシンプルライフを追求しているのです。


ドミニック・ローホー
著述家。フランス生まれ。ソルボンヌ大学で修士号を取得し、イギリス、アメリカ、日本の大学で教鞭を取る。様々な国に移り住む中で、モノを持たず豊かに暮らす「シンプルライフ」を確立。それを本にまとめた『シンプルに生きる』(講談社+α文庫)がベストセラーに。他に『シンプルリスト』『99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる』(ともに講談社)など著書多数。また禅寺や墨絵を通して日本の精神文化に理解が深いことでも知られる。


〜次回は「料理は3分でできるもので十分」 6月22日公開予定です〜

第一回「完璧主義ではなく快楽主義を目指す」はこちら>>
第二回「良いものは高いものとは限らない」はこちら>>
第三回「「少ない」「小さい」は快適だと知る」はこちら>>
第四回「「ノーセカンドチョイス」と「ワンアクション」が豊かな時間を生む」はこちら>>
第五回「バードウォッチングならぬバッグウォッチング」はこちら>>

第六回「五感を磨く」はこちら>>

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新刊コラム●
『マイバッグ 3つのバッグで軽く美しく生きる』ドミニック・ローホー 著 赤松梨恵 訳

自分にとっての理想のバッグを見つけることは、自分がどう生きたいかを見つけることでもある——。大ベストセラー『シンプルに生きる』(講談社+α文庫)で知られるドミニック・ローホーさんの最新刊は、人生を豊かにするために欠かせないアイテムであるバッグ選びについて説いたもの。本当に必要なバッグの数、バッグの中身の整理の仕方、そしてそこから身も心も軽く生きる秘訣まで教えてくれています。これを読めば、究極のバッグだけでなく、自分らしい幸せもきっと見つけられるはず! ¥1100/講談社


取材・文/山本奈緒子 写真/ドミニック・ローホー著「99の持ちもので、シンプルに心かるく生きる」より
構成/大森葉子(編集部)