「大森さん、女は全身の肌が同じ質感であるべきなのよ。顔、腕、背中……そして、かかと、爪先まで、とにかくなめらかに、柔らかく」
その昔、某タレントさんの美容本を担当していました。取材中に、その方は私の目を見て、真剣にその言葉を発しました。もともと皮脂腺の量や外的刺激の受けやすさなどにより角質層の厚さや質は違うわけですから、無論それは心意気の話であったわけですが、見事にその言葉を体現されているような方でした……隅々までなめらかで、柔らかな女の肌。森遥子さんの小説に出てきそうな主人公を思い浮かべ、「大人の女かくあるべし」といたく感銘を受けたのであります。顔だけではなく、全身にバランスよく頓着できる人でありたいな、そんなことを思うようになりました。
あと数週間後に本格的な夏を迎えます。爪先やかかとを毎日のように露出する時期の到来です。皆様、かかとケアはお済みですか? 見るからに硬そうなかかとはしていませんか? ペディキュアに夢中で、かかとはガサガサ、そんなことはありませんか?
私はKOBAKOのヒールケアキットで、夏のスタンバイをします。ヒールリムーバーをパットにしみこませシールにセット。そちらをかかとにくるんで5〜10分間密着させます。ガッチガチだったかかとの皮膚がどんどんゆるんでいきます。そちらをフットスムーサーの粗目面(表裏面で粗さが異なります)で削っていくと……それなりにケアしていたはずなのに、ポロポロ、ポロポロと不要な角質が削れていきます。おもしろいほどに。そして、悲しくなるほどに(苦笑)。不思議なことに不必要に削りすぎることはなく、ポロポロと削れなくなるのでやめどきがハッキリ認識できるところもお気に入りポイント♡ その削りカスと対面し、ケアしているつもりで、まったくケアしきれていなかった自分を猛省。だけれど、思わず頬ずりしたくなるほど(笑)のすべすべなかかとを撫でたら、女度がグンと上昇している自分にご満悦。乾燥しがちなかかとのために、仕上げのフットエッセンスをなじませ、フットスムーサーの細目面で磨き上げてる頃には、鼻歌を歌ってしまうくらいの上機嫌に! そんな楽しいケアキットです(笑)。もちろん、硬くなりがちな親指まわりなど、その部分にあわせてパットをカットし使用してもOK。
使う度、“ピカピカのかかと”と共に、ネイルサロンでのフットケアでは決して味わうことのできない感慨を私に与えてくれる。そんなヒールケアキットは、いつも頑張ってくれている自分の身体を自身で末端まできちんとケアする大切さを思い出させてくれるのです。
文頭の言葉をいただいてから十数年。そのときの衝撃をビビッドなままで私の脳に記憶させてくれる、有り難き訓示のようなキットなのでした。
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