誰とも被らない、<br />“品のある強さ”にひと目惚れ byスタイリスト&エディター 小倉絵美_img0
仕事でスニーカーを履きたい時も、「ダンディ」で着こなしをクラスアップ。バングルをするなら時計を引き立てる細身のものを。“光”と“動き”を足すイメージです。

スタイリストという職業柄、日々、たくさんの魅力的なアイテムを見ていますが、時計やバッグといった高価なものほど、人気が一極化する気がします。秀逸なデザインはもとより、使い勝手のよさなども考えるとみんなが同じモノにたどり着くのは当然とも言えますし、確かにまわりの人達が持っているのを見ると納得の素敵さなのですが、私の場合はつい「みんなが持っているなら別のモノを選ぼう」と思ってしまいます。ちょっとひねくれてるのかも(笑)。

そんななか、3年ほど前に購入した時計が、ショーメの「ダンディ」。もともとショーメは大好きなブランドで、並み居るジュエリーメゾンのなかでも、主張を内に秘めた品のよさを感じます。商品自体のデザインはもちろん、展示会での花のあしらいひとつにも“これみよがしでないセンスのよさ”が漂っていて、パリ一流の“シック”とは、まさにそういうことなのかな、と。私自身、つねに“人として上品でありたい”と思っているので、そのあたりでも共感できるのかもしれません。

「ダンディ」はメンズコレクションですが、これはそのなかでもやや小ぶりで女性も着けやすいタイプ。手首がちょうど埋まるくらいのサイズ感ですが、女性がビッグフェイスの時計を着けるのは、最近の気分でもありますよね。ベルトも文字盤も黒一色という潔さも、お気に入りのポイント。白く輝くSSとのコントラストが効いていて、この存在感が、着こなしを引き締めてくれます。

レーシーなトップスとのコーディネートや、リトルブラックドレスにノーアクセサリーでこの時計をポンとひとつ着けるようなスタイルも好み。単なる“マニッシュ”とも違う、女性ならではの“芯の通った強さ”、それこそ“品格”と呼ぶべきものかもしれませんが、そんな理想の女性像を表現できる時計だと思います。

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レーストップなど女性らしいアイテムに合わせるのも好き。時計のインパクトが全身を引き締め、凛とした表情を添えられます。ジュエリーはバングルなしのシンプルコーディネートで。


CREDIT:
(シャツのカット)
シャツ/アキラーノ リモンデイ
パンツ/ザラ
スニーカー/ナイキ
バッグ/ロエベ
スタッズブレスレット/エディ ボルゴ
シルバーブレスレット/ノーブランド
マリッジリング/ブシュロン
星と月のリング/マリーエレーヌ ドゥ タイヤック
サファイアリング/ベルシオラ

(レーストップスのカット)
トップス/カルヴェン
デニム/アクネ
パンプス/ロジェ ヴィヴィエ
マリッジリング/ブシュロン
人差し指リング/ティファニー
 

アイコン画像

PROFILE 小倉 絵美さん

1981年生まれ。スタイリストとして「VOGUE」や「Harper’s BAZAAR」「FRaU」など雑誌を中心に活躍後、ライフスタイル誌「DAZZLE」で2年半のエディター経験を積む。現在はフリーランスのスタイリスト&エディターとして活動中。

 

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シンプルなフォルムに気品と官能性が漂うクッション型ケースが魅惑的。シルバー×ブラックの洗練された配色で、モードな迫力も纏わせてくれる1本。時計「ダンディ」(SS×アリゲーターストラップ)¥465000(税抜)/ショーメ

ここ数年、働く女性たちから根強い人気を集めているのが、ビッグフェイスのメンズ時計をスパイスに効かせたスタイル。存在感のあるメンズ時計は、マニッシュなジャケットスタイルにはもちろん、デニムやワンピースにも意外なほどマッチして、凛としたセクシーさを演出してくれます。なかでもこのショーメの「ダンディ」は、パリの歴史あるジュエラーらしい品格と優雅さを湛えたタイムピース。無駄な装飾を極力削ぎ落としたデザインは、“フランス王室御用達”の歴史を物語るクッション型ケースや、メゾンを象徴するバヤデールストライプによって、ひと目でそれとわかるインパクトを放っているのも魅力的です。2015年には38mmのPG製、翌2016年には42mmのSS製ケースが登場。個性を重視したスタイルのある大人の女性こそ、挑戦してみたいコレクションですね。

構成・文/村上治子