“時計ブーム”の華やかなりし時代を<br />経験して参りました・・・ byエディター 有田麻奈美_img0
インパクトのある「ベニュワール アロンジェ」は、ノースリーブの時にもよく着けます。シンプルにまとめるのが心地よいので、時計以外はホワイトダイヤモンドのベーシックなジュエリーと。購入当時は“ダイヤモンドウォッチ”に憧れていましたが、今となってはカジュアルにも昼間にも着けられる“ダイヤなし”で大正解。いつも着けっぱなしのリングはブシュロン。テニスブレスレットはノーブランドです。

 時計とハンドバッグがおしゃれIDでもあったバブル世代(1965-1969生まれ)の端っこで生きて参りました、有田です。私が過ごした30代後半~40代前半の頃は、レディスもかなりの時計ブーム。ジュネーブで行われる時計の見本市に女性誌がこぞって取材に行き、機械式時計や超高級宝飾時計など、これまで一般的にはあまり目に触れられることのなかったマニアックな時計たちが誌面を飾っていました。

 仕事でさまざまな時計に触れ、ストーリーを知るうちに、30代後半の誕生日には“一生モノ”となる“上質時計”を購入したいと思うように。まずはバブル期に一世風靡した「金ロレ」「プラチナロレ」に惹かれましたが、私にはスポーティ過ぎる&何より高額過ぎると諦め、次に気になっていたカルティエ「ベニュワール」を試着。でも、手首が太い私にはまるで黄金虫がとまっているみたいなバランスとなってしまい即却下。そんな時、テレビでキンキンケロンパのケロンパさんの手元に輝く不思議な形の時計が目に留まったのですが、それがカルティエの「ベニュワール アロンジェ」だったのです。彼女が着けていたのは、文字盤までダイヤモンドびっしりの超高級宝飾時計でしたが、ダイヤの入っていないタイプならどうにか予算内だったので、思い切って“清水買い”。私にとっては、初めての手巻き機械式時計でした。

 「ベニュワール アロンジェ」は2000年に誕生し、その後2011年には国内在庫が完売してしまった廃盤モデル。私としては、今年久々に復活した「パンテール ドゥ カルティエ」のように、いつか復活してくれたらいいのにと思う気持ちもあります。“運命感じて即決!”を免罪符にしていたバブル世代。学生時代にはじまり社会人になっても、多くのブランドが私の上を通り過ぎていきました。この時計は、手に入れてから15年以上が経ちますが、いまでも手元を眺めるとうっとり♡ ひと目惚れは長続きしないというけれど、あの時の直感は正しかった! いまでも最愛の1本と、このまま一緒に粛々と年齢を重ねていきたいと思っています。

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最初についていたブロンズ色のトワレベルトがくたびれた後は、カルティエ正規品や銀座和光のものなど、時々のワードローブのテーマカラーでベルトを交換しています。付け替えは、カルティエや百貨店、時計専門店で。
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2015年あたりから、空前絶後のサーモンピンクブームに。ひどい時は、全身サーモンピンクで“林家サーモン”になったこともありましたっけ。サーモンピンクのベルトは、同色2本目となるカルティエのオーダー品。友人のブランド「MARULAB/マルラボ」の半貴石リングと、彼女にリメイクをお願いしたカラーサファイヤのリングを合わせます。
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どうしても邪魔をしたいらしいLALAちゃんもフレームイン♡ 着物の時は母が使っていた銀座和光の華奢なバングルウォッチを。中央の「HENRY LONDON」はホワイトベルトでも気兼ねなく使えるプライス(3万円弱)もお気に入り。奥のエルメスはSSケースに御徒町でダイヤを埋めてもらいました・・・若気の至り(汗)。それ以外は右の青いベルトから時計回りに、ジャガー・ルクルト、ベダ&カンパニー、ヴァン クリーフ&アーペル。時計のメンテナンスは意外に高額なので、少しずつ断捨離しようと思っています。
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PROFILE 有田麻奈美さん

1964年9月11日生まれ。『gap japan』、『ワールドフォトプレス』勤務後、フリーエディター&ライターに。『GINGER』(幻冬舎)、『おとなスタイル』(講談社)などの女性誌、通販誌『dinos』など、ファッションを中心にフリージャンルで活躍中。

構成・文/村上治子