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「デリケートゾーン」と「健康」の切っても切れない関係とは?

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こんにちは、ライターの村上です。今週でこの連載も3回目となりますが、ふと、この話題は、読者の皆さんにどのくらい受け入れられているのだろう?と考えました。というのも、日頃、この膣まわりに関するトピックスを友人たちとの会話に持ち出すと「その話は好きじゃない」「もうそんな情報は要らないわー」とシャットアウトされることも少なくないからです(笑)。ただ、そんな時、なぜ頭から拒絶されるのだろうと考えてみると、それは「膣まわり=セックスのためのエリア」というイメージが強いからなのかもしれません。もちろん、セックスも女性に幸福感をもたらす大切な行為であり、後々触れていきたいテーマではありますが、森田敦子さんもたびたび指摘されているように、膣まわりのケアの必要性は、そのためばかりではありません。膣まわりは、美容と健康にも大きな影響を及ぼすエリア。だからこそ、女性ホルモンの働きが変化し始めているこのタイミングで、あらためて意識したい部分なのではないでしょうか。

今回は、ファッショントピックスを楽しみにミモレに立ち寄った皆さんにも興味を持っていただける内容をご提供すべく“膣まわりがなぜ、健康に結びつくのか”について考えてまいります。

「膣まわりが健康と深く関わっているのは、膣や尿道、肛門が、それぞれ“粘液”を出す場所だからです」と森田さん。粘液とは、からだの外部から侵入しようとするウイルスなどの外敵をブロックしたり、体内に入り込んだ異物を排出するために働く体液のこと。粘液の質が高まるほどからだを守る力も強まるので、“粘液力とは、すなわち免疫力”と言い換えることができるでしょう。森田さんが言うには、そもそもヨーロッパでは、この“粘液力=免疫力”は古くから浸透している健康のセオリー。粘液の質は、健康状態を推し量るバロメーターのひとつとして捉えられているそうです。「なかでも、女性のからだを健やかに保つには、膣から分泌される膣液の潤いが不可欠。よく“膣には自浄作用がある”と言われますが、それは膣内が、衛生を保ってくれる常在菌を含んだ粘液でしっかりと潤っていることが前提。つまり膣の粘膜が乾燥してしまうと、様々なトラブルを引き起こすもとになってしまうのです。」

たとえば、膣が乾くことによるブロック機能の低下は、さまざまな感染症を呼び込みます。読者の皆さんも一度は経験したことがあるかもしれないポピュラーなカンジダ膣炎を始め、膣の病気全般の呼び水に。また、見過ごせないのは、ホルモンバランスの乱れ。膣内の乾燥は、当然、膣に繋がる子宮にも影響を及ぼします。女性ホルモンのバランスが崩れることで、特に40歳くらいからの老化のスピードを一気に加速させてしまうのです。髪や肌、爪などのハリやツヤも、女性ホルモンの良好な状態があればこそ。やはり大人の女性がキレイを保つには、健康であることが欠かせないのですね。森田さんの植物療法の師であり、産婦人科の世界的権威であるフランス人のベランジュール・アルナール先生は、以前、こんなことをおっしゃっていたそう。「何歳になっても、きちんと粘液を分泌できる弾力と潤いのある膣を維持し続けること。それは、どんな高級美容液よりも効果があるのよ。」

最後に、気になる“よい膣液の状態”について、森田さんに確認を。「膣の粘液を指先に取り、親指と人差し指で広げてみて。5cmくらい糸を引く粘力があれば、健やかな状態です。無色透明で強い臭いがないかどうかも、チェックしてみてくださいね。」週末のくつろいだお休み前などに、セルフチェックしてみてはいかがでしょうか?

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<新刊紹介>
『潤うからだ』

森田 敦子 著 ¥1200 ワニブックス

「あなたは、膣まわりのケアをきちんとしていますか?」この質問に自信を持って「ハイ!」と答えられる日本女性は、たぶんそう多くはないでしょう。日本での植物療法の第一人者である森田敦子さんが、本場フランスに留学していた当時、何よりも驚いたのは、日本人とフランス人との膣まわりに対する意識の差だったそう。生理や排泄、セックスから妊娠、出産まで、膣まわりは女性の人生にとって欠かせない場所であり、実は、からだのなかで最も繊細な器官。そんな大切な膣まわりとの向き合い方を、植物療法士としての豊富な知識と経験をもとに、多角的に解説しています。膣まわりは、女性の健康や精神バランスを推し量る上でも、重要なバロメーター。正しい知識と的確なケアを知ることで、女性が女性らしく輝ける「潤うからだ」を手に入れたい!


次回は9月1日公開予定です。

(この記事は2017年8月25日時点の情報です)
文/村上治子 構成/川良咲子(編集部)