年齢を重ねるごとに悩みばかりが増える髪。細毛に白髪、広がりにペタンコ……。髪のネガティブな部分のカバーが目的になって、ヘアデザインのかっこよさや素敵さを諦めていませんか？ でもちょっと待って！ 信頼できる美容師さんがいれば、大人の年齢であってもまだまだ理想のヘアスタイルを楽しめるんです。今回は、日本を代表する凄腕ヘアスタイリストによってミモレ読者が変身！ 変わりゆく過程の中にも、キレイ髪をつくるヒントが満載だから、きっとあなたの髪にも応用できるはず！
【今回のお題】
「白髪が出始めました。髪色を変えずにおしゃれに見えるショートは可能ですか？」
読者代表 武田智美さん・43歳
【髪のお悩みはこちら！】
●白髪が出てきたけど染めたくない
●面長を自然にカバーしたい
●個性を感じるシャープな髪型にしたい
【ヘアを担当するカリスマはこの方！】
女優やタレントの髪を多く手掛け、ヘアメイクとしても活躍する桜井さんは、20年以上トップを走り続けるヘアデザイナー。明るく楽しいお人柄で、男女問わず多くのファンを獲得。 エレガントなスタイルからモード系ショートまで、どんなデザインも見事にこなす凄腕の持ち主です。
カットのみで髪のモヤモヤを全部、解決！
髪型企画に挑戦してくれた武田さんは3児のママ。子育て真っただ中ということもあり、気軽に美容室に行けない毎日だとか。「髪が伸びて、いつの間にかシルエットが縦に間延びしている感じがしています。それに、最近は白髪も出始めました。でも、黒髪が好きだし白髪染めはしたくないんです」（武田さん）。
そこでヘアデザイナーの桜井さんが提案したのは、ファースト白髪が目立ちにくいデザイン性が際立つショートスタイル。「白髪は分け目や生え際から出始める人がほとんど。そこを上手くカバーしながら、武田さんが持つおしゃれな雰囲気を引き出す、クールなショートにしましょう」と提案。今回はカットだけでお悩みをカバーしながら旬なデザインにしてくれるとか。
HOW TO STYLE
サイドはソフト2ブロックにカットして収まり感をキープ
サイドは、耳上のラインで前下がりにデザインします。「最初に内側の毛束をレザーで耳上ラインに切り込んだら、表面の髪ははさみで上から被せるようにカットしていきます。こうするとサイドが膨らみにくく、前下がりのラインがシャープに演出できます」（桜井さん）
前髪はまぶたラインで切り揃えて目元を主張
全体を前下がりのマッシュシルエットに整えた後、前髪のみドライでカットします。「まぶたのラインでパツンと切り揃えてから、毛先をほんの少しだけ削いで、適度な隙間を加えます。こうすると、下ろした前髪がペタンと張り付きにくく、横から見たときに自然なボリュームが出て顔立ちに美しい立体感を与えます。目元もクールに見えておしゃれ感がアップします」（桜井さん）
仕上がりはこちら！
Side＆Back
武田さんのノーブルな印象をさらに際立たせスタイルに。
生え際の白髪が目立たずにスタイリッシュに
「マッシュベースなので分け目がなく、この部分の白髪が隠れやすいです。また、輪郭を覆うように前髪からサイドをつなげたカットなので、生え際が露わにならず、こちらも内側の白髪が目立ちません」と、桜井さん。
また、エッジの効いたショートは、黒髪のほうがクールにきまるとのこと。目元の印象が強い武田さんの個性がグッと引き出され、佇むだけでおしゃれムードが漂う透明感のある印象にチェンジしました。
【ここが隠し技！】
襟あしをレザーでカットして理想的なサイドシルエットに
襟あしは内側をレザーで切り込み、表面の毛束を被せるようにはさみで整えます。
「襟あしをキュッと引き締めると、丸みのあるサイドシルエットを演出できます」と桜井さん。日本人に多いペタンコな後頭部が解消されて、きれいなマッシュショートに。
今回の変身企画で、久しぶりに前髪を作った武田さん。「マッシュショートはスタイリングもラクそうだし、黒髪をハイセンスに見せてくれて一石二鳥ですね。チラホラ白髪も全然、目立たないから当分は地毛の髪色を楽しめそうです」
桜井さん曰く「前下がりのマッシュは頬の位置が上がって見えやすく、また存在感のある前髪の効果で、縦長の輪郭をコンパクトに演出します」とのこと。
ほんのりクールビューティな印象に変身した武田さん、その変身効果で春のファッションの幅も広がりそうです。
ファッションがより垢抜ける大人のショートはこちら！
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取材・文／小澤佐知子
構成／國見香
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