キラーワード「いい時代になったね」

 

リツコさんのご主人のような人は、「黙らされてきた弱い立場の人」「考えをまとめるのに時間がかかる人」のことを想像するのが難しいのかもしれませんね。「なんで今さら言うのかな~」というつぶやきにも、悪気があるわけではなく、「自分だったら、言いたいことがあればなんでも言える」という思いが透けて見えます。

ここでリツコさんが、「あなたは配慮が足りない!」とかみついても、弁の立つご主人にはかなわないかもしれません。100倍くらいの言葉で返されて、余計モヤモヤしてしまうかも。

そういうときは、「いろいろな人が意見を言えるようになって、いい時代になったね」「これまで声を上げられなかった人がいるんだね」と声をかけるのはどうでしょうか。「社会の価値観がどんどん変化していること」に、ご主人の意識を誘導します。

そうすることで、「自分の価値観やハラスメントの認識は、時代遅れになってきているのではないか?」と考えてもらう……。そんなにうまくいくかは分かりませんが、一石を投じることはできるはず。

これからますます夫婦二人の時間が増えていくでしょうから、二人のテンポに大きなズレがあると、リツコさんがどんどん苦しくなってしまいそう。リツコさんも時には思い切って意見を言うように意識してみてはいかがでしょうか。考えがまとまっていなくても、辿々しい言葉でも構いません。「私の意見も聞いてほしい」と伝え、少しずつ訓練すれば、きっと対話が成り立つはず。

相談内容を聞く限り、普段はバランスの取れた仲の良ご夫婦なのだと思います。リツコさんの小さな変化をきっかけに、ご主人も自分とは違う価値観の人、自分とはテンポが違う人に対しても、足を止めて、耳を傾けるようになってくれたらいいですね。

 

皆さんのモヤモヤ話を教えてください!

職場や家庭で、イラっとしたけど言えなかった、違和感を感じたけど言葉にできなかった、モヤモヤしているのは私だけ? と思った経験がありましたら教えてください。エピソードを掲載させて頂く際はミモレの会員ニックネームではなく、仮名でご紹介します。皆さまからのエピソード投稿をお待ちしております。

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文/梅津奏
イラスト/Sumi
構成/山本理沙
 

 

前回記事「「お休みの日にスミマセン!」休暇中も電話してくる同僚にモヤモヤ...「新しい働き方」の負の側面」はこちら>>

 
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