今すぐに骨のために始めたいことは「検査」「食事」「運動」


「閉経前であれば、セルフケアで骨量は増やせます」と吉形先生。

骨のマネジメントは、早く始めれば始めただけ返ってきます。今すぐ始めてほしいのが、『検査』『食事』『運動』の3点。骨を増やす習慣を早いうちから身につけておけば、閉経後も骨密度の低下をゆるやかにすることができます。

 

1)まず自分の骨の状態を知る「検査」

閉経前に一度、自分の骨の立ち位置を知るために骨密度を測りましょう。

 

骨密度を知るには、基本は病院でのレントゲン検査で、できれば腰椎と大腿骨の2箇所を測ってください。以降も職場や自治体の検診、人間ドックのオプションなどで、定期的な測定をお勧めします。というのも、骨密度は経年変化を見るのが重要なのです。今の骨密度が高くても下がり方が速いと骨の質が悪く、折れやすいケースもありますので、閉経後は毎年測って見比べる習慣をつけましょう。

 

2)食事で骨を守る

骨のためには、カルシウムとビタミンD、ビタミンKを意識して取りましょう。

特に日本人に不足しているのがビタミンD。ビタミンDの標準摂取目安量は8.5μg/日ですが、骨粗しょう症気味の人ならその3倍、今摂取量が足りていない方は2倍くらい摂ることを推奨します。食品では魚やキノコ類に多く含まれています。適度に日光に当たることも有効です。ビタミンDは血液検査で簡単に測れるので、測ってみて足りなければサプリメントで補充してください。

カルシウムの成人摂取目標量は600~800mg。牛乳、チーズ、ヨーグルトなどの乳製品、骨ごと食べられる小魚、豆腐や納豆などの大豆製品、野菜類や海藻などに多く含まれます。バランスをよい食事を意識しましょう。

 

3)加齢に応じて歩く量を増やす

骨は加重によって、それに耐えられるように骨をつくる細胞が働き始めるようになっています。そのため、おすすめの運動は地面を歩くことです。

昔の人は何万歩も歩いていたので、老齢期の女性でも骨を調べると骨粗しょう症ではなかったという研究結果もあります。それに比べると現代人はほぼ運動不足です。少し速足で1日10000歩を目標に歩きましょう。ダラダラしたスマホ歩きはもってのほか! 省エネな歩き方は運動になりません。

「閉経に備えてどんどん骨密度を上げていきたいと思ったら、平均的な食事と運動では足りないです。加齢とともに、積極的に食事管理や運動への意識を上げていく必要があります。よく患者さんで、『なにもしてないのにどうして太るんですか!』『今までと同じ生活なのにどうして骨密度が下がるんですか?』と聞いてくる方がいますが、変えてないから悪くなるんです! これからはギアチェンジしていかないといけませんよ」