「送料無料」。この四文字に“嬉しい”と感じる人はどのくらいいるでしょうか。むしろ、送料無料は“当たり前”。別途送料の記載に「え、送料かかるの!?」と反射的に眉根を寄せてしまう人も少なくないかもしれません。いやはや、筆者もその一人です……。

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ですが、ある1冊の本を読んで猛省しました。その本というのが、橋本愛喜さんの著書『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』です。

 

橋本さんは、日本の社会問題やブルーカラーの労働問題などを執筆されているライターですが、お父様が経営する工場へ入社後、日本各地を走り回った「元トラックドライバー」でもあります。今回上梓したのは、物流・運送業界の問題に迫る社会派エッセイ。橋本さん自身が経験し、現場を見聞きしてきた中で炙り出されていく“物流を取り巻く課題”は、私たち一般消費者にも決して“他人事”ではない。そう教えてくれるのがこの本なのです。

中でもドキッとしたのが、第2章「根付く“理不尽”」で書かれた「送料無料」についてのパート。今回は本書から特別に、その一部を抜粋してご紹介します。

 

橋本愛喜(はしもと・あいき)さん
ライター。大阪府出身。父親が経営する工場でトラックドライバーとして日本各地を走る。日本語教師などを経て渡米。現在は日本の社会問題、ブルーカラーの労働問題を主軸として幅広いメディアで取材/執筆を行う。著書は『トラックドライバーにも言わせて』(新潮社)、新著は『やさぐれトラックドライバーの一本道迷路 現場知らずのルールに振り回され今日も荷物を運びます』(KADOKAWA)。
【Twitter】@AikiHashimoto 【HP】aikihashimoto.com