能登半島地震は決して対岸の火事ではない

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2024年元旦、新年の祝賀ムードを切り裂くように能登半島地震が発生。日を追うごとに被害の甚大さが明らかとなり、増え続ける死亡者の数や被災地から届く苦しみの声に心を痛めている人も多いと思います。

被害に遭われた方々には一日でも早く平穏な日常を取り戻していただきたいと願うばかりですが、今回の震災は我々日本人にとって決して対岸の火事ではないことを強く意識しなければならないでしょう。というのも、何年も前から「いつ起きてもおかしくない」と言われている首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生したら、膨大な被害を及ぼすだけに止まらず国家の存亡自体が危うくなり、ほとんどの日本人が直接的もしくは間接的に被害をこうむるからです。

 

では、首都直下地震や南海トラフ巨大地震が発生したら日本はどのような事態に見舞われるのか? その様子を詳細にシミュレートしているのが、東京都知事政務担当特別秘書・宮地美陽子さんが上梓した『首都防衛』です。本書は「最悪の事態」を想定していることもあり、決して心安らぐような内容ではありませんが、政府が準備している対策活動や個人でやれる避難方法なども紹介しており、防災を考える上でとても頼りになるでしょう。

そんな本書の中から、広大な地域を巻き込むと想定される「南海トラフ巨大地震」が発生した際の「対策」について触れた部分をご紹介したいと思います。