イギリスで人気の“ガストロパブ”って聞いたことありませんか? “ガストロパブ”とは、ガストロノミー=美食道とパブ――言うなれば、食べものがおいしい居酒屋のこと。ロンドン発祥のジャンルで、このガストロパブ「ビスポーク」を東京にオープンしたのが、野々下レイさん。今では夜な夜な日本の、そして世界のおいしいもの好きが訪れるこの店の人気の秘密は「すべてが自家製」であることなのです。そんな難易度大! でも絶品! なビスポークの料理を集めたレシピ本が新刊『おいしいもの好きが集まる店の 全部、自家製』。真の食いしんぼうだったら、必ず作ってみたくなるメニューが並んでいるこの本から、おいしい料理のコツの数々を野々下レイさんに教えてもらいます。
マッシュポテトの
とろけるなめらかさのコツ
「ビスポーク」の看板メニューのひとつが「ソーセージ&マッシュ」。皮はパリッ、身はジューシィ、ハーブの香りも高いソーセージに、マッシュポテトの付け合わせ。頼んだ人は皆、マッシュポテトの驚くほど滑らかでとろけるような味わいに驚くのだそう。
とろけるなめらかさのコツは「じゃがいもの温度を下げない」こと! よくあるレシピは、つぶしたいもに冷たいバター、牛乳などを加えていきますが、それでは舌触りが悪くなってしまうのです。じゃがいもに加えるものはあらかじめ温めておく、じゃがいもはゆでた鍋に戻す、のが絶対条件です。
■マッシュポテト
材料(作りやすい分量)
・じゃがいも(メークインがおすすめ) 500g
A
・牛乳 100㎖
・生クリーム 50㎖
・無塩バター 50g
・塩 大さじ1
作り方
① じゃがいもは皮をむき、約2㎝の角切りにする。水が透き通るまで流水にさらす。
② 鍋にたっぷりの水を沸騰させ、塩を入れたらじゃがいもを加え、強火で15分ゆでる。
③ 耐熱容器にAを入れ、電子レンジに1分かける。
④ じゃがいもは熱いうちにざるにとって水分を飛ばし、鍋に戻してマッシャーなどでつぶす。
⑤ 3を2~3回にわけて加え、その都度混ぜる(混ぜすぎると粘りが出るので要注意)。味をみて、塩少々(分量外)で味を調える。
ガストロパブ「ビスポーク」と、野々下さんの『おいしいもの好きが集まる店の 全部、自家製』には、ほかにも、ローストチキン、皮つきベーコン、ピート風味のスモークサーモン、牡蠣のスモーク、イングリッシュマフィンのハムサンド、にんじんとコリアンダーのスープ、大人用プリン……と絶品料理がいっぱいです。
『おいしいもの好きが集まる店の 全部、自家製』
野々下レイ著 講談社 1500円(税別)
夜な夜な日本の、そして世界の食いしんぼうが目指すおいしい場所――それが東中野のガストロパブ、ビスポーク。
ソーセージ&マッシュ、スモークサーモン、BBQポークスライダー、グラスホッパー(きゅうりのサンドイッチ)、にんじんとコリアンダーのスープ、そしてフィッシュアンドチップス――― イギリスからインスパイアされた料理がおいしいのはもちろん、この店の何よりの人気の秘密は「すべてが自家製」であること。
ケチャップやマスタードなどの調味料、食パンやバンズなどのパン類、燻製や腸詰めにいたるまで、出されるものすべてが料理人、野々下レイさんが試行錯誤を重ねた手作り。
この本では、「時短」「作りおき」では到底かなえられない、自家製ならではのおいしさをおうちで再現する方法をご紹介。真の食いしんぼうに読んでほしい一冊です。
・第1回「全部、自家製のパーフェクトバーガーって?【大人気ガストロパブ「ビスポーク」直伝①】」はこちら>>
・第3回「ねっとり卵のピクルスの作り方【大人気ガストロパブ「ビスポーク」直伝③】」はこちら>>
野々下レイ
ガストロパブ、Bespoque/ビスポーク店主。大学卒業後、音楽を志ざしロンドンに留学。現地で「イギリス料理」に魅了され、方向転換することとなる。帰国したのち、フランス料理店、カフェ、アメリカ大使館で勤務。2012年、東中野にビスポークをオープンする。イギリスにインスパイアされた、オリジナリティ溢れる料理は口コミで広まり、イギリス大使館員はもとより、日本中から食いしんぼうたちが夜な夜な集う店となっている。