サプリメントなどにはできるだけ頼らずに、毎日の食事で多く食べておきたい、野菜。
ただ、一度の料理では量に限界もあり、使いきれないときがあります。旬の野菜は栄養豊富で値段も安価なので、つい気合を入れて大量に買い込み、冷蔵庫に残ってしまうことも。また、いざ調理するにもメニューがいつも同じになってしまう、という人も多いのでは。
そこで、『15分で一汁一菜』(講談社)を刊行した料理家の武蔵裕子さんに、野菜をとことん使いきるためのアレンジを教えてもらいました! 冷蔵庫でよく待機させてしまいがちな野菜を厳選してご紹介します。
キャベツを使いきる
なかなか使いきれない代表選手のキャベツ。でもビタミンCやカルシウムなど栄養豊富なうえにローカロリーなので、たくさん摂りたい食材です。以下のレシピでも残ってしまったら、ざく切りにして保存袋に入れておいても冷蔵庫で4~5日保存可能ですので、いざ調理したいときにすぐ使え、時間の短縮にもなります。
レシピ1
「くったりキャベツと豚肉のソテー」
材料(2人分)
・キャベツ 1/3個
・豚ロース薄切り肉 6枚
・塩、こしょう 各少々
・小麦粉 適量
・サラダ油 大さじ1
・粗びき黒こしょう 適量
作り方
① キャベツはざく切りにする。豚肉に塩、こしょうをして、小麦粉を薄くまぶす。
② フライパンにサラダ油の半量を中火で熱し、キャベツを入れてさっと炒めたら、ふたをして弱めの中火で1~2分蒸し焼きにし、器に盛る。
③ 2のフライパンに残りの油を中火で熱し、豚肉を両面焼きつけて2の器に盛り、粗びき黒こしょうをふる。
レシピ2
「キャベツとツナのカレーマヨ」
材料(2人分)
・キャベツ 大3枚
A
・ツナ缶(汁けをきる) 小1缶
・マヨネーズ 大さじ 11/2
・カレー粉 小さじ 1/2
作り方
① キャベツは太めのせん切りにする。Aは混ぜ合わせる。
② キャベツは塩小さじ1/2(分量外)をふってもみ、3分ほどおく。
③ 軽く水けを絞り、Aに加えてあえる。
大根を使いきる
煮物にしがちな大根ですが、炒めものでも大活躍します。火の通りやすい切り方にすれば手早くおいしいおかずに。これでも残ったら3~4cm幅に切って皮をむき、保存袋に入れて冷凍しましょう。冷凍すれば3週間保存可能なうえ、味がしみやすくなっておでんや煮物が手軽に作れます。
レシピ1
「大根と豚バラのねぎ塩炒め」
材料(2人分)
・大根 300g
・豚ばら肉 150g
A
・長ねぎ(みじん切り) 1/3本
・酒 大さじ1
・ごま油 小さじ1
・塩 小さじ1/3
・粗びき黒こしょう 少々
・酒 大さじ1
・ごま油 大さじ1/2
作り方
① 大根は3~4cm長さの棒状に、豚肉は3cm幅に切る。Aは混ぜ合わせる。
② フライパンにごま油を中火で熱し、豚肉をさっと炒めたら大根を加え、炒め合わせる。
③ 酒を加えてふたをし、中火で5分ほど蒸し焼きにする。ふたを取って火を強め、Aを加えて手早く炒め合わせる。
レシピ2
「大根と大根葉の炒めみそ汁」
材料
・大根 約3cm
・大根の葉 3~4本
・だし汁 カップ2
・みそ 大さじ2
・ごま油 大さじ1/2
・七味唐辛子 適宜
作り方
① 大根は太めのせん切りに、葉は1cm長さに切る。
② 鍋にごま油を中火で熱し、大根と葉を入れて1分ほど炒める。
③ だし汁を加えて大根がやわらかくなるまで煮たら、みそを溶き入れる。
④ 器に盛り、好みで七味唐辛子をふる。
トマトを使いきる
生であえても、煮てもおいしいトマト。ところが放っておくと、どんどん熟れて腐らせてしまうことも。もし残ってしまったら、丸のまま冷凍しても3週間保存可能です。使うときには常温に5分ほどおいておけば、サクッと包丁で切れます。おでんやスープにいれてもよく、熱を加えると自然に皮がはがれてくるので、湯むきも不要です。
レシピ1
「トマトと卵のレモンマヨ炒め」
材料
・トマト 2個
・卵 3個
・塩、こしょう 各少々
A
・マヨネーズ 大さじ1 1/2
・レモン汁 大さじ1
・砂糖 小さじ1
・オリーブオイル 大さじ1 1/2
作り方
① トマトは一口大の乱切りにする。
② ボウルに卵を溶き、塩、こしょうを加えて混ぜる。別のボウルにAを混ぜ合わせる。
③ フライパンにオリーブオイルの半量を強めの中火で熱し、卵を一気に流し入れ、ふんわりしたらすぐ取り出す。
④ 3のフライパンンに残りのオリーブオイルを足し、トマトをさっと炒めたらAを加えて調味する。すぐに卵を戻し入れ、手早くふんわりと炒め合わせる。
レシピ2
「トマトのねぎしそあえ」
材料(2人分)
・トマト 大1個
A
・長ねぎ(みじん切り) 大さじ2
・青じそ(みじん切り) 2~3枚
・しょうゆ 大さじ2/3
・ごま油 大さじ1/2
作り方
① トマトは薄いくし形に切る。
② ボウルにAを混ぜ合わせ、1を加えてあえる。
『15分で一汁一菜 毎日のごはんはこれでいい!』
武蔵裕子 著 講談社刊 1200円(税別)
レシピ数155品! 「作りおき」さえ必要なし! 簡単。早い。ムダがない。大満足の時短献立! 忙しい家庭にとって毎日のごはんは"戦争"です。栄養は大切、作りおきは面倒、ゆっくり調理する時間はない……そんな人のために、「15分で完成」「一汁一菜」というくくりで応援します。家族が満足できるなら、毎日のごはんはもっと気楽で、もっと自由でいいはず。その考えのもと、満足できる究極の時短献立を紹介します。
・第1回「夕食が15分で完成!「一汁一菜」のすすめ 簡単チキン南蛮&豆苗の卵とじスープ」はこちら>>
・第2回「すぐマネできる時短調理アイデア5つ」はこちら>>
武蔵裕子
料理研究家。両親と息子2人という3世代の食卓を、長年切り盛りしてきた著者。毎日の暮らしの中から編み出されたレシピはどれもムダがなく、それでいて愛情たっぷり。書籍や雑誌のほか、企業のメニュー開発や講習会などでも活躍中。著書に『魚焼きグリルでかんたん本格レシピ(グリルプレートつき!)』(世界文化社)、『体にいい 時短おかず』(永岡書店)、『「水だし」&「野菜水だし」』(主婦の友社)など多数。