独特の洗顔法で、乾燥やシミ、毛穴、たるみなど様々な肌トラブルを改善してきただけでなく、もともときれいな肌ももっときれいにしてきた『米澤式健顔』の米澤房昭先生。洗い続けてきた年月は何と43年! このたび、その肌改善理論と洗い方のプロセスを惜しげもなく紹介した著書『人生が変わる洗顔 顔を洗うだけの銀座の小さなサロンが14万人の肌をきれいにしたシンプルな方法』(講談社)が発売されました。それにしてもなぜ、化粧品でも美容治療でもなく、洗うだけで肌がきれいになるのでしょう?
「こう伝えると拍子抜けされるかもしれませんが、肌トラブルが起こる原因は非常にシンプルで、皆さん、汚れがきちんと落ちていないだけなのですよ。肌の表面は、無数の角質細胞で覆われています。細胞は常に生まれ変わっていますから、角質も古くなったものは剥がれ、下からうるおいを持ったフレッシュな角質が顔を出します。これが、肌が本来持つ代謝力。ですが現代女性は、クリームや美容液のつけすぎでこの古い角質がきちんと剥がれず、それが様々な肌トラブルを引き起こしているのです」
古い角質=死んだ細胞。古い角質にはうるおいがなく、これが肌に貼り付いていると乾燥による突っ張り感を引き起こしたり、折れてシワを作ったりしてしまいます。それだけでなく、古い角質が蓋となって皮脂分泌を妨げ、毛穴の開きやニキビといったトラブルを生み出す要因にもなっているのです。
古い角質はほぼ垢だった
トラブルが起きる肌は古い角質が表面に残っているので
・乾燥しやすくシワになりやすい
・くすみやすく、毛穴が黒ずみやすい
・ニキビ、アトピーが治りにくい
・ターンオーバーが遅い
米澤式健顔が目指す健康な肌はフレッシュな角質が表面に出ているので
・うるおいがあって、サラサラ
・シワになりにくい
・肌が軽く、表情をつくりやすい
・ターンオーバーが速い
「皆さん、毎日のクレンジングでは、メイク落としで1、2分マッサージした後、すぐに洗い流していらっしゃると思います。でもこれでは、メイクは落ちても不要な角質までは落ちません。ならばスクラブやゴマージュで角質をしっかり除去すれば良いのでは? と思うかもしれませんが、そう単純ではないのが肌というもの。スクラブやゴマージュもたしかに古い角質は落とすのですが、落とす力が強すぎて、その下のフレッシュな角質まで傷つけてしまうのです」
そんな繊細な肌を前に、米澤先生が試行錯誤しながら生み出したのが、「肌を傷めることなく不要な角質だけを落とし、フレッシュな角質は残す」という洗顔法、“米澤式健顔”だったのです。その方法は、クレンジングクリームをつけて、何と毎日5〜15分マッサージをするというもの!
「こう聞くと皆さん、『そんなに長くマッサージをして大丈夫なの!?』と思われることでしょう。でもこれこそが米澤式健顔の最大のポイント。そのマッサージというのが、“肌が動くか動かないくらいの究極のソフトタッチ”でおこなうのです。これによって古い角質層だけをゆるめることができるので、フレッシュな角質層が顔を出せるようになるのです」
□ 表面の古い角質だけを取り除ける
□ フレッシュな角質を傷つけない
つまり米澤式健顔とは、古い角質を取り除くことで肌がきちんと生まれ変われるようになる、そのお手伝いをする洗顔法ということ。そのため、「このクリームを塗ったらふっくらする」「これをつけたら殺菌されてニキビが治る」といったものではありませんから、トラブルによっては改善するまで時間がかかることもあります。
「乾燥やシワは、不要な古い角質が直接の原因となって起こるトラブルなので、1回の洗顔でもかなり改善します。ですがたるみやシミ、毛穴の開きといったトラブルは、問題がもう少し根深い。コツコツ不要な角質を取り続けて肌の代謝力を取り戻す必要があるので、すぐには結果が出ないことも多いのですが、それでも米澤式健顔を続けられたお客さんは、皆さん、時間はかかっても確実に良くなられています。継続は力なり。諦めなければ、50歳になろうが70歳になろうが、肌はずっと張りのある若々しい状態をキープできますよ!」
第2回「乾燥もシミもたるみも! 洗うだけでトラブルが改善」はこちら>>
『人生が変わる洗顔 顔を洗うだけの銀座の小さなサロンが14万人の肌をきれいにしたシンプルな方法』
米澤房昭 著 講談社刊 ¥1200
「つけるケアより落とすケア」をモットーに、究極のソフトタッチによる洗顔マッサージで、14万人の肌トラブルを改善に導いてきた『米澤式健顔』の米澤房昭先生。古い角質をきちんと落とすことで肌の代謝力を取り戻す、というその洗顔法は、乾燥やシミ、たるみといったあらゆるトラブルに効果が見られています。本著では、実際に「トラブルが改善した」という人たちのエピソードとその改善理論を、肌トラブル別に紹介。また、読んだ人が自宅でもおこなえるよう、洗顔プロセスも詳しく解説しています。
構成/山本奈緒子
米澤 房昭
1945年熊本県生まれ。化粧品会社勤務を経てサロンを開業。顧客の肌に向き合って編み出した独自のテクニックと理論が評判に。乾燥やシワ、たるみのような加齢による悩みから、ニキビやアトピーなど深刻な肌悩みにまで結果を出し、全国からサロンに通う人も。また、女優やヘアメイクアップアーティストなどにも多くのファンがいる。1999年、銀座にサロン「米澤式健顔」として移転。著書には『米澤先生に聞く、肌のホントのことウソのこと55』(ハースト婦人画報社)、『大丈夫、あなたの肌は必ず変わる。』(宝島社)などがある。