yukomabuさんからの質問
Q.
離婚後、私がもらって住んだマンション。
元夫に返済負担を求めることはできますか?

2006年頃に離婚しました。結婚時に共有名義でマンションを購入していましたが、夫は結婚1年後に突然仕事を辞め、離婚時も無職でしたので、住宅ローンを支払えないし、売却しても残債があるので、私が住み続けることに。2年間くらい頑張りましたが、一人では支払えず滞納、任意売却に。4300万円だったマンションは1700万円になり、残債が900万円あります。元夫には「離婚後住んでいないし払うつもりはない」と言われましたし、無職ゆえ払えるわけもないと諦め、私が何とか正社員で就職し、月1万円ずつ返済しています(それまでは持病があり普通に働けなかったため、両親の仕事を手伝っていました)。 私は2011年に再婚し、現在幼稚園の子どもがいます。 今は夫の名義で買った家に住んでいて、こちらのローンもあるうえ、これから子どもの教育費もかかってきますので、1万円といえども限界を感じていました。それが先日、元夫が再婚したと聞いたのです。夫の両親は他界しており、その実家に新しい奥さんと住んでいる、とのこと。心配していたので、再婚したと聞き嬉しかったのですが、時間が経つにつれて、結婚して奥さんを養っているということはマンションの残債も支払う能力があるのではないか、と悶々とした気持ちが芽生えてきました。 新婚の元夫に「残債を分担してください」と言うのは酷かもしれません。しかし彼にも支払う義務はあるのではないでしょうか? 離婚して10年以上経過した今でも、元夫に支払を請求することはできるのでしょうか? お知恵をお貸しください。(46歳)

特別ゲスト 原口未緒先生の回答
A.
ローンを二人の名義で組んでいるのなら
もちろん元夫にも負担を請求することはできますよ。

マンションを元夫と共有名義で購入されたとのことですが、ローンはどういう分担にされていたのでしょう? ローンも半々で組んでいるけれども、今は元夫の負担分もyukomabuさんが払っている、ということでしたら、今まで支払った分の半額を元夫に請求することができます。ですがローンをyukomabuさん一人で組まれているなら、残念ながら元夫の負担義務はありませんので、請求することはできません。また離婚時にローンをyukomabuさん一人の名義に組み替えている場合も、元夫に請求することはできませんが、ただyukomabuさんはそんなに所得が多いわけではないようですから、ローンを一人で負担するという名義組み替えはできなかったのではないかと思います。ですから、元夫のローン名義が残っているようであれば、ローンの支払いは月1万といえども大変だと思いますので、ぜひ元夫に請求されてください。もちろん、今まで支払った分だけでなく、これから支払った分も請求できますよ。

ポイントは、「今もローンを支払っている」というところにあるのです。小額でも支払い続けていれば、元夫の支払い義務も時効にはなりません。ukomabuさんが支払っていないまま5年たつと時効になりますが、ローン会社も払ってもらえないまま放置しておくことはありませんから、5年の時効が成立することはまず起こりえないのですが。

ですが問題は、元夫が素直に「じゃあ……」と支払ってくれるか、というところですよね。払ってくれない場合は、調停に持ち込むか、ローン会社に「元夫に請求してください」と依頼するか、この2つぐらいしか方法がないのが実情です。しかも調停の場合は、相手の住んでいるところでおこなうことになります。元夫が遠方に住んでいる場合は時間もお金もかかってしまいます。そこまでするなら、これまで通り自分で1万円を支払ったほうがラクかもしれません。でもまずはダメもとで、元夫に「払ってくれないか」と相談してみてはいかがでしょうか? これは法律的なこととは関係ないのですが、その際は、腰を低くして持ちかけてみるのがオススメです。「アナタにも支払い義務があるのに、何で私ばかり!」とケンカ腰でいってしまうと、相手も頑になってしまうものです。ここは、元夫が「申し訳ない」という気持ちになるような作戦で臨むのが良いかと思います!

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PROFILE
  • 原口未緒(はらぐちみお)1975年生まれ。弁護士。学習院大学法学部卒業。2004年に弁護士登録。民事、商事、家事、刑事、倒産処理、債務整理など様々な案件を担当した後、2010年に「未緒法律事務所」を開所。夫婦、離婚案件を主に扱っている。法的な解決策を提案するだけでなく、コーチング、カウンセリング、セラピー手法を取り入れ、「心のケアもする弁護士」として人気がある。著書に『「この結婚もうムリ」と思ったら読む本 こじらせない離婚』(ダイヤモンド社)がある。自身は3度の離婚を経て、現在4度目の結婚をし、第一子をもうける。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る