今月中旬の米沢に続いて、先週末、大草編集長のトークイベントがあった福岡でもお茶会を開催。ただいま全国各地に出没中(本日は撮影で沖縄にいます!)の編集部・大森ですが、イベントで「いつも見てますよ」と読者の皆様にお声がけいただくことも多くなり、その時ばかりは(まだまだ苦手意識を払拭できないのですが苦笑)「自分の姿をメディアに露出する」という行為の偉大なる恩恵を感じずにはいられないのであります。
今回は『服ができる背景を知るということ』のお話
今回の米沢織プロジェクトでは完全オリジナル生地を制作していただき、コート、セットアップ、スカートの3アイテムをリリース。中でも、今回着用しているコートは、昨秋に工場を訪れた際、フリンジをつくるため手作業でカッターを入れていく工程を拝見して愕然!「ま、まさか、全部を手作業で?」と驚くことしかできなかったほどに、たいへん手が込んだ生地でした。さらに、その生地は米沢の別の工場に運ばれ、ハリ感を調整するための仕上げの加工が丹念に施されていきました。そして、その加工も試行錯誤を繰り返した結果に到達した方法だというお話もうかがいました。
このコート1枚を眺めるだけで、その時の工場の様子や、そこで働く方々の横顔が次々と思い出され、勝手に『プロジェクトX~挑戦者たち~』かのようなドキュメンタリー映像が脳内で流れ出し、どこからともなく田口トモロヲさんのナレーションが聞こえてきてしまうほどです(笑)。
大草編集長は「“食”に対しては、どうやって作られたか、どんな環境で育ったのかが大切になってきているのに、“衣”に関しては情報が少なすぎる」とここ数年思い続けていたと言います。私も漠然と感じていたことではありましたが、今回の米沢取材で江戸時代から続く叡智が結集して生みだされる、とても情熱的、かつ繊細な生地づくりの工程を真近で見させていただいたことで、
ストイックにその疑問と向き合っていきたい、と強く思いました。これは、ドリス・ヴァン・ノッテンの映画を観た時に抱いた感情にも通じますし、バタやんが紹介しているエバーレーンやリフォーメーションのようなブランドの意味に思いを馳せることにも通じます。
米沢の職人さんたちのたくさん愛がつまった一枚を羽織って、福岡でたくさんの読者の皆様にお会いし、やさしさに包まれっぱなしの私は、ミモレを通して生まれる出会いに感謝しつつ、そんなことをこのところずっと考えています。
CREDIT:
コート/ナチュラルビューティー この日と同じ
カットソー/ルミノア この日と同じ
オールインワン/ZARA この日と同じ
バッグ/バナナ リパブリック この日と同じ
靴/リーボック この日と同じ
大森葉子
主にビューティ担当。「今日は夏休み?」と聞かれてしまうほどの“ど”カジュアルと「今日は何かあるの?」と聞かれてしまうほどのデザイン性のある服が好き。ほぼ“一目惚れ”買い派。