先頃、トークイベントとお茶会でうかがった福岡出張。その空き時間を利用して、ずっとうかがいたかったインドキルトやモロッコのラグ、雑貨などを販売しているLIGHT YEARSへ。予想通りの心が躍りまくりすぎる夢のワンダーランドでしたが、我が家に合うキルトをじっくりと吟味する時間が足りず、スタッフの方に再訪を誓って、お店を後に……。すると、同行者の咲子が消えた!
こちらのお店「SARANAM(インドのパーリー語で“帰依する”の意」は、もともとは革小物を扱っていたけれど、少しずつ他のオリジナルアイテムも増やしているところだそう(咲子はタイ製のクラッチバッグと愛娘へのお土産のポーチを購入)。インドやタイの山岳民族の方と一緒に取り組みながら、オリジナルでものづくりをしているキルトグッズや、タイの少数民族の衣装(非売品)に狂喜乱舞しつつも、私の心を鷲掴みしたのは……
インドで、手で紡ぎ、手織りされたカディコットンを使用。それらを現地でオリジナルの模様やカラーで手仕事にて染色してもらい……そして、現地の方に手縫いしていただいているというシャツです。そう、それはそれは我々の想像を遥かに超える手間暇がかかっているのです!
私の「現地の方の雇用や環境問題にも配慮して生まれたシャツなのですか?」との質問に、「そうですね。手仕事の良さを伝えていきたいと思っていますが、当面は、現地の方にもこのシャツを着てもらえるようになることが夢なんですよ」と小柳さん。
カディコットンという素材を使うだけでもちろんコスト高。でも、すべての作業が手作業で進められているので、各工程でコットンに負荷がかからない分、本当に柔らかな質感に織り上がるのが特徴とのこと。糸や織りが不均衡なため、風を通しやすく、吸水性が高く、空気を含みやすいので、年間を通して着られる生地ですが、特に、これからの季節の体温調整にもピッタリ(寒暖差がある今からの時期だけでなく、真夏の紫外線対策用シャツとしても活躍してくれると予想しております)。購入後、1日袖を通してみたのですが、この肌アタリを体験してしまったら、もう、他のコットンには戻れない……と思えるくらいのしっとりフワフワ触感です。
カディコットンの発祥を調べてみると、イギリスの機械織り綿布に対する対抗手段として、手織り布によってインドの方々の自立を守るためにガンディが率先して広めたもので、“The Fabric of Freedom”とも言われているそう……なんて素敵なネーミング♡
価格は29000円と、シャツの価格としては決して安くありません。けれど、この1枚を購入(いや、投資という意味のほうが近いかな?)することで、ブランドさんの思いを応援することもできますし、このシャツに関わっているたくさんのインドの方々とつながれるような気がしてしまうのです。あ〜、インドに行きたい(笑)。
さて、こちらのコーナーは、「買ってもいいかな?」と皆様に問いかけるコーナーですが、既に買ってしまいましたから、「買ってしまいましたけど、何か?」という強気な感じで押し切らせていただきたいと思います(苦笑)。
別のコーナーでもちょこちょこ書かせていただいておりますが、どうやら私は、デザインや価格だけでなく、服が持つストーリー(=服が生まれる背景)を知ることで購入の際に強く背中を押されることが多いよう。残念ながら、こちらの商品は通信販売をされていないとのことですが、このような考え方も皆様が今後買い物をするうえで参考になれば嬉しいです。
大森葉子
美容担当歴20年の私が、個人的に溺愛している美容アイテムを中心に紹介していきたいと思います! 流行りものに目がないタイプではなく、自分が納得できるものにしか興味が湧かないタイプであります……苦笑。