米倉涼子さんが、過去に観た映画を紹介するアーカイブ コレクション。
そのときに観た映画から、米倉さんの生き方、価値観が垣間見えます。
何だかんだといいながら、結局トム・クルーズが出ている映画はチェックしてしまう私。以前『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』を紹介したときにも「カラダ鍛えすぎ!どこに向かってるの」と感想をお伝えしましたが、『ロック・オブ・エイジズ』では、さらにカラダの厚みがおかしなことになっていました(笑)。
今回トムが演じているのは、落ちぶれたロック・スター。上半身裸にピチピチの革パンというスタイルもやりすぎだし、キスシーンなんてスレスレのキモさ。
この映画がきっかけで離婚したというゴシップにも思わず納得してしまうほど、トムのあまりのインパクトのせいでスターを夢見る若いふたりの物語がかすんじゃっているんですよね。彼が出すぎなければ、『バーレスク』のロック版のようなサクセスストーリーになっていたかもしれません。
でも、ホントに生歌なの!? と疑ってしまうほど見事な歌声を聞かせるシーンもあり、ステージでのパフォーマンスはさすがに圧巻でした。妙な勢いとチープな雰囲気、数々のおなじみのヒット曲、そしてアメリカン・ジョークがツボに入る人にはおすすめのこの作品、“下品”で“ごちゃごちゃ”してるけどトムが“頑張ってる”、“3G映画”と命名したいと思います(笑)。
そうそう、意外な役どころで登場するキャサリン・ゼタジョーンズの、映画版『CHICAGO』を思い出させるキレのある歌とダンスも見どころです!
このページは、女性誌「FRaU」(2012年)に掲載された
「エンタメPR会社 オフィス・ヨネクラ」を加筆、修正したものです。
『ロック・オブ・エイジズ』
1980年代のハリウッド。ライブハウスで働きながらスターを夢見るドリューとシェリーは恋に落ちる。彼らは憧れのスター、ステイシーと出会い……。ヒット曲満載のロックミュージカル。