こんにちは、ミモレの川端です。
最近、業務の一環で、政治系のノンフィクション本をたくさん読まなればいけなかったのと、テクノロジーやらメディア論やら、比較的仕事に直結した本ばかり読んでいました。
内容はこうどんどん脳に入ってくるんだけれど、心がザラザラするというか、乾いた気持ちになってしまって、これはいかん!と(汗)。
それで手に取ったのが、買ったまま読んでなかった最果タヒさんと清川あさみさんの共著『千年後の百人一首』です。

百人一首でどの句が好きですか?
私はパッと思いつくのはやはり
小野小町の
はなのいろは うつりにけりな いたづらに 〜
かなあ。
それぐらいしか思い出せない、と思ったけれど、読みはじめてみたら、どの歌も上の句を聞けば下の句が出てくるくらいに頭に染み込んでいました。子どものときに覚えたものの記憶ってすごいですね。
この本の中で一番のお気に入りはこちら

紀友則の
ひさかたの 光のどけき 春の日に
静心なく 花の散るらむ
最果タヒさんの解釈による新唄はこちら
風よりも露よりもゆっくりと、
光が雲から落ちてきていた。
こんな日に、
どうして桜の花は拍手のように、
ぱらぱら急いで散ってしまうの。
「拍手のように、ぱらぱら」って、すごくわかりますねえ。
最果タヒさんのこと、ミモレのブログでも何度か取り上げている私(「大事なことをわざと書かない」、「宇多田ヒカルがかかっていた頃」)。どの書き物を読んでも、言葉に関する圧倒的な才能と感性に震えます。嫉妬するなんておこがましいけれど、かなわないな〜と落ち込むほどです。
でも、百人一首を読んで、この唄が好きだなあとか、この言い回しはすごいと感じられる自分に気づくと、また自信が持てる気がしました。こういう感性が自分にもまだちゃんとある、とたまに自覚するの、大事だなあと思います。
清川あさみさんの刺繍も本当に美しいんです。なんども開いて読んでしまいます。
みなさんの好きな唄は、どんな解釈になっているでしょうか。
ではではまた〜。
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