映画監督のホン・サンス。彼の描く独特の世界観が好きで、久しぶりに映画館に赴きました。ファンの声にこたえ、1週おきに4つの作品が封切られていたからです(ライターの細谷さんがそのうちの1作品『正しい日、間違えた日』の記事をアップしてくれました)。私は『それから』と『夜の浜辺でひとり』の2作品を同日に鑑賞。
4つの作品すべて、主演女優はキム・ミニ。ホン・サンスとは不倫関係にあるものの、ふたりは公私ともどもパートナーであることをパブリックにしています(ホン監督は離婚を要求するも、奥様は拒否。監督の離婚裁判は、現在も進行中のようです)。
ともあれ、スクリーン内のキム・ミニの無垢な存在感は本当に尊い。やはり監督に愛されている女優さんは、驚くほどに魅惑的に撮影してもらえるものだな、と妙に納得。会話中心に話が進んでいくところやヌーヴェル・バーグを彷彿とさせるグルーヴ感もさることながら、監督が韓国のウッディ・アレン、韓国のゴダールと称されることが多い理由は、そのことが大きく起因しているような気すらしてきます。
2つの作品はどちらも不倫をテーマにしていますが、ドロドロしたところはありません(「あちゃー」みたいなところはあります)。起承転結や分かりやすい抑揚がないので「スッキリしたぁ!」「感動した!」というカタルシスを映画に求めたい時にはオススメできませんが、ままならぬ人生や男女の機微をしっとりと傍観したい方にはオススメです。
この帰り道には、自由をもてあまして、ヌーヴェル・バーグ作品をビデオで片っ端から見て、その世界観の中に没頭。結果、なかなか現実世界に戻れなくなってしまった(苦笑)大学生活の日々を思い出しました。
あぁ、ホン・サンス、やっぱり好きだわ!
今日のお品書き
ずっと昔から大ファンであった岡本敬子さんの新連載も始まりました。第2回目は、ご自身でディレクションされているセレクトショップ『Pili』のお話です。こちら、いつ立ち寄っても、胸トキメクものが詰まっております♡
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