古くから日本のうつわに描かれてきたモチーフには、縁起のいい意味が込められていることが多いことをご存知ですか? なかでも鳥モチーフは、オシドリ(夫婦円満)、孔雀(扇形の羽が末広がりの吉兆)、鳩(平和)など種類によって意味があり見た目にも愛らしい。そばに置くだけで幸福を呼んでくれそうな作品を、『うつわディクショナリー』を出版した私、衣奈彩子が選びました。

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高島大樹さんの鳥の飾り皿 8000円(税別)

直径10〜15センチほどのお皿に首をすうっと伸ばした可愛い鳥の姿。孔雀なのか、はたまた架空の鳥なのか、そんな想像も楽しい一枚です。子供の頃から絵を描くのが好きだったという高島大樹さんが描く絵には、スペインやイタリアの焼物のおおらかな雰囲気からインスピレーションを受けたという陽気な構図と、日本人らしい繊細な筆のタッチが絶妙に混じり合います。

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稲村真耶さんの飛ぶ鳥の楕円皿 3800円(税別)

若々しくも上質な絵付けを得意とする稲村真耶さん。彼女が描く線は風のように軽やかなので、描きこまれたものであってもどこか控えめ。手持ちの他のうつわとも馴染むように配慮されています。鳥を描くのも、飛翔する姿を通して、うつわに軽やかさをプラスしたいからだそう。楕円皿という横長のキャンバスに描かれた空飛ぶ鳥の悠々とした姿に心が和みます。

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大江憲一さんの鳥の茶壺 12000円(税別)

蓋のつまみに鳥があしらわれた大江憲一さんのポットは人気の作品。こちらは中国茶用の小さなサイズなので、鳥も一段と小柄で素朴なのがたまりません。ポットは、パーツを作り組み立てるため、たたでさえ手間がかかるもの。その上、つまみにまで力を注いだこだわりの仕事です。あえてかたちは揃えず一羽一羽に個性を持たせているそう。一期一会の出会いにも期待が高まります。

縁起がいいうつわは、プレゼントにもぴったりですね。

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衣奈 彩子(えな・さいこ)

フィガロジャポン編集部を経て独立。出産を機にふつうのごはんを美味しく見せてくれるうつわにハマる。人とうつわの関わりをテーマに日本のうつわ文化をほうぼうに楽しく伝えるべく活動。編著に『料理好きのうつわと片づけ』(河出書房新社)。うつわと食を愉しむ「UTSU-WA?」主宰。Instagram:@enasaiko

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『うつわディクショナリー』
著者 衣奈 彩子 CCCメディアハウス 1600円(税別)

ウェブサイトFIGARO.jpの人気連載、「うつわディクショナリー」が書籍になりました。ライフスタイルを大切にする人たちの関心が年々高まっている、うつわ。なかでも、話題の作家によるうつわは、展覧会のたびに行列ができるほどです。
作家たちのうつわ作りの背景や思い、そして美しい写真におさめられた作品の数々。
また、知っておきたいうつわ用語と購入できるギャラリーやショップリストもまとめました。うつわと作家をつなぐ1冊として、ぜひ、お楽しみください。

(この記事は2018年9月4日時点の情報です)
文/衣奈 彩子 写真/米谷享
構成/片岡千晶

 


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・第3回「ニュアンスカラーのうつわで洗練されたテーブルに」はこちら>>