ファッションでもインテリアでも、いま気になるのはニュアンスカラー。秋冬に向けてチェックしたいそんな色味は、うつわの世界にも続々と登場しています。ブラウン、モスグリーン、ブルーグレーなど絶妙なカラーリングは、作家さんの手仕事だからこそ。そんなニュアンスカラーのうつわが得意な作家さんを、『うつわディクショナリー』を執筆した私、衣奈彩子がご紹介します。

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富井貴志さんの白漆リム皿 15000円(税別)

焼物のように見えますが、手に取るととても軽い漆器。蒔地(まきぢ)という土の粉で下地を作り白漆を施すことで生まれる独特の色ムラがカジュアルな雰囲気を演出します。もっと気軽に漆器を使って欲しいという作家の想いがかたちになったうつわです。角度によってゴールドにも見えるため、実際にはフォーマルな場にも重宝するようで、複数枚揃える人も。

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田坂香代子さんの中鉢 6000円(税別)

日本生まれの手作りのうつわで、これほどマットな、深みのあるグリーンは珍しいと言えるほど、田坂香代子さんの色彩感覚は自由で、新しい。欧米風のニュアンスカラーを巧みにあやつる一方で、うつわのフォルムを見てみれば、和え物や煮物など和の惣菜が似合いそうなすっきりとしたかたち。上品なおもてなし料理を、いまっぽくモダンに受け止めてくれます。
 

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福岡彩子さんの小さな一輪挿し 2800円(税別)

フォルムに特徴のある一輪挿しは、ひとつあるだけで、お部屋をセンスアップしてくれるもの。最近は、グレイッシュなインテリアが気になりますよね。福岡彩子さんの一輪挿しは、そんないまの気分にぴったりの存在感のあるカラーリング。両手に包めるほどのサイズなので、いくつか並べて空間を作るのもおすすめです。

テーブルをモダンに演出するうつわがあれば、それだけでおしゃれになりますよ。

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衣奈 彩子(えな・さいこ)

フィガロジャポン編集部を経て独立。出産を機にふつうのごはんを美味しく見せてくれるうつわにハマる。人とうつわの関わりをテーマに日本のうつわ文化をほうぼうに楽しく伝えるべく活動。編著に『料理好きのうつわと片づけ』(河出書房新社)。うつわと食を愉しむ「UTSU-WA?」主宰。Instagram:@enasaiko

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『うつわディクショナリー』
著者 衣奈 彩子 CCCメディアハウス 1600円(税別)

ウェブサイトFIGARO.jpの人気連載、「うつわディクショナリー」が書籍になりました。ライフスタイルを大切にする人たちの関心が年々高まっている、うつわ。なかでも、話題の作家によるうつわは、展覧会のたびに行列ができるほどです。
作家たちのうつわ作りの背景や思い、そして美しい写真におさめられた作品の数々。
また、知っておきたいうつわ用語と購入できるギャラリーやショップリストもまとめました。うつわと作家をつなぐ1冊として、ぜひ、お楽しみください。

文/衣奈 彩子 写真/米谷享
構成/片岡千晶
(この記事は2018年9月6日時点の情報です)


 

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