7月21日(土)に開催された、ミモレ大学4回目、つまり、とうとう最終回!「自分を知る、社会を知る、自分の未来を知る」というテーマで、多彩な講師陣による講義が繰り広げられてきました。回を重ねるごとに、受講生同士が打ち解けていく様子が、会場で見て取れました。

東京の最終回、1つ目はセッション形式での講義でした。登壇したのは、一般社団法人at Will Work 代表理事の藤本あゆみさんと、ソフトバンク株式会社未来人材推進室の日下部奈々さんです。

 

“相手との信頼関係を築く”――
二人が選んだ白いトップスの意味とは


壇上に現れ、受講生に一礼した一般社団法人at Will Work代表理事の藤本あゆみさんと、ソフトバンク株式会社未来人材推進室の日下部奈々さん。ふたりとも白い服に、同じくらいの丈のスカートを履いていました。

 

藤本 私は人前で何かをする時などは、白い服を着るって決めているんです。私が代表理事を務める一般社団法人at Will Workは、多くの企業や人、団体による事例共有のプラットフォームとして、ノウハウの蓄積や体系化、迅速な共有化によって「働きやすい社会づくり」に貢献していくことを目的としているので、私自身は何の色もついていない白でありたいと思っているんです。それに、小学校から高校まで女子校に通っていて、その時の学年色も白だったんです。だから、白は私にとって特別な色、大切にしてるんです。

一般社団法人at Will Work 代表理事 藤本あゆみ 大学卒業後、2002年キャリアデザインセンターに入社。求人広告媒体の営業職を経て、入社3年目に、当時唯一の女性マネージャーに最年少で就任。2007年4月グーグルに転職。代理店渉外職を経て営業マネージャーに就任。女性活躍プロジェクト「Women Will Project」のパートナー担当を経て、同社退社後2016年5月、一般社団法人at Will Workを設立。株式会社お金のデザインでのPR マネージャーとしての仕事を経て、2018年Plug and Play株式会社でマーケティング/コミュニケーションのディレクターとしてのキャリアをスタート。


日下部 私は今日、あゆみさんと一緒に登壇するので白にしました。あゆみさんがこういう時に白を着るというポリシーは知っていたので(笑)。私は、ソフトバンクという会社に入社後、人事部で採用を担当しました。人材開発部に異動後、人材開発制度の企画に携わり、ソフトバンクグループの人材育成機関「ソフトバンクユニバーシティ」立ち上げにも参加しました。その後も2度の出産を経て、様々な年代のキャリア開発や、 ダイバーシティ推進など、IT企業にいながら一貫して人に関わる仕事をしてきました。
そのため、相手との信頼関係を構築することはいつも意識しています。相手と話をしている時に、あえて相手と同じしぐさをすることを「ミラーリング」というのですが、これによって、相手は自分が承認されているような気がして、心がオープンになり親近感を抱きやすいと言われています。また、「あなたのスタイルを尊重する」という意味もあって、今回、あゆみさんと同じ白を選びました。スカートの長さは偶然ですが(笑)。

ソフトバンク株式会社 未来人材推進室 日下部奈々 2004年ソフトバンク入社。新卒・中途採用、各種人材開発制度の企画・設計に携わる。 2009年よりソフトバンクグループ人材育成機関「ソフトバンクユニバーシティ」立ち上げにプロジェクトマネジャーとして参画。 2011年出産・育児を経て、「ソフトバンクアカデミア」をはじめとしたグループ次世代リーダーの発掘・育成、タレントマネジメントを担う。加えて現在は、各世代のキャリア開発プログラムやイベント企画、プロボノ活動としてキャリアカウンセリング、ワークショップ開催など、社内外の幅広い年代に対し「自分らしく働く」支援を行っている。 一般財団法人 孫正義育英財団 運営事務局 米国CCE,Inc.認定GCDFキャリアカウンセラー、MBTI認定ユーザー、BCS認定ビジネスコーチ

 

――どうやって自分のキャリアを広げていくのか?


藤本 私は以前、Googleに約9年勤務していました。成長がものすごく早い企業で、最後に女性の活躍をテクノロジーで支えようとするプロジェクトに関わっていました。プロジェクトの枠を超えて、より幅広く働き方の変化を創りだしたいと考えるようになって、男女の区別なく「働き方改革」を支援できる社団法人を作ることを思いついたんです。うれしいことに賛同してくれる人たちがいて、「一緒にやろう」と言ってくれたので、2016年5月に一般社団法人at Will Workを立ち上げました。その後、平行してお金のデザインという会社で働き、今年3月にPlug and Play Japanという会社に転職しました。ここでは大企業とスタートアップをつなげるためにいろんなイベントをしたり、情報提供をしたりしています。

日下部 ものすごくパワフルな経歴ですが、藤本さんはどのようにご自分のキャリアを広げていっているのですか? 意識していることはありますか?

藤本 Plug and Play Japanはメンバーが10人いるんですけど、うち7人が平成生まれ! 昭和生まれの私はマイノリティなんです(笑)。価値観が全然違っていて、「これが未来か!」と思うことがよくあって、すごい刺激になっています。また、仕事とは関係なく、なるべく世界に行くようにしています。例えばニューヨークに行ったら、例えば、ひたすらミュージカルを観て、演出方法や舞台美術などをじっくり観察しています。自然といろんなことをインプットすることで、次のアウトプットにつながるんです。同じニューヨークでも、毎回行く場所と全く新しい場所に行くのですが、前者は「変化を楽しむ」で、後者は「そうくるか!という楽しみ」があります。

日下部 時代の一歩先の働きを作る体験というか、実験みたいなかんじですね。

藤本 私みたいな副業は大変だし面倒なのであまりおすすめしませんが(笑)、それを越えてやりたいことがあるなら、自分が体験することを大切にするべきだと思っています。


――最大限のパフォーマンスを発揮し、やりがいを作る原動力は?


日下部 前から疑問だったのですが…あゆみさんは昔からこの仕上がりだったんですか?どんな学生時代だったのでしょうか

藤本 私の根幹というのは、実は小さい頃からあまり変わっていないような気がします。このあいだ、中高時代の友達にも「昔からそうだったよね」と言われました。「そうだった」というのは、新しいところに首を突っ込みに行くことです。嬉々として飛び込んでいく感じ(笑)。私が通っていた女子校は校則がなく、何かあればクラスの議題にしてみんなで考えていく。だから、小さい頃から、「あなたはどうしたいの?」と聞かれることが多く、それが私の根幹になってるんじゃないかなと思っています。

日下部 あゆみさんがネイティブのチェンジメーカーとしたら、私は後発組。私は1人目の育休の時に「暗黒期」と呼んでいるくらい気持ち的に辛い状態になってしまい、復職後にものすごく元気になったんですけど、その時に自分にとっての仕事の大切さを痛感しました。だから、2人目の時は、育休ではなく「ライフワーク期間」と呼ぶようにして、社会や仕事と何らかの関わり合いを持つようにしたら、家族にも優しくなれました(笑)。

藤本 育休って、子育てがあるわけだから、そもそも休みじゃないですからね。バイアスがかかる「休み」だけど、育休中の体験自体も経験ですからね。

日下部 「暗黒期」では、自分で受け止めきれないこともあったけど、抜け出せたきっかけはとにかく何かをはじめたことだった気がします。人に背中を押してもらいつつ、試しながらも行動し続けたことが、今につながっているところはあるかもしれません。

藤本 私はもともと自分のことを「走りながら考える」タイプと思っていたら、「考える前に走ってるから」って言われたことがあります(笑)。私も、at Will Workは一人では絶対にやっていなかった。仲間がいて、私だけじゃないって思ったからできた。誰かとやるということもすごく重要だと思います。

 

日下部 私は今、キャリア形成などで困っている人のサポートをさせていただくことも多いんですけど、関わる一人一人をなんとかしたいと思う気持ちが、自分のパワーになっていると感じています

藤本 内省することも大切だけど、外に出していくことで形になる。相手の反応もみられるし。そうやって磨かれていくのかな。


このあと、「副業と複業」や、「何の制約もなかった場合、本当にやってみたいこととは?」といった話題に移り、受講生たちもグループに分かれてディスカッション。さまざまな経験を持つ二人のパワフルな女性から、たくさんの刺激を受ける、濃密な1時間となりました。 

 

ミモレ大学第二期を終えて
「これは卒業ではなく、ここからがスタート」(大森)

東京校、京都校ともに最終日には懇親会を開催しました。東京校では、大森から、京都校では川端より修了のご挨拶を。

今回のミモレ大学のカリキュラムの達成目標として、「自分の行動指針を自信をもって自分できめられるようになってほしい」というテーマがありました。自分の得意なことを再確認したり、自分の役割を棚卸ししたり、何の制約もなかったら本当は何がやりたかったのか、何がやれそうなのか、そんなことを考えるきっかけになったらと、講師の方々と講義内容を組み立てました。

懇親会開催にあたって、「今日は卒業式と呼ばず、ここからがスタートの会だと思っていただけたらと催しました。ミモレ大学は修了してもなにか資格がとれたり、就職に直結したりするものではありません。でもこちらへの参加が、何かをスタートしたり、チェンジしたり、自信をもって前に進むきっかけになっていたら、編集部としてはとても嬉しいです」と編集長・大森より。

今後も一期生、二期生の交流会や発信の場、また第三期、四期と企画していきたいと考えています。ご要望やご意見などはぜひコメント欄へお寄せください。
第二期へご応募、ご参加くださったみなさん、ありがとうございました。また必ずお目にかかりましょう!

受講者の方から届いた感想PICK UP!

「お二人ともタイプは違いますが、周りの方々や状況をしっかりと見極めて、新しい事へ一歩を踏み出す勇気を常に持っている事がすばらしいと思いました」

「やりたい“何か”がみえない…と思っていましたが、みていないのかも…と気づきました。新しいことに嬉々として取りくんでいた20代を思い出しました」

「お二人ともとても刺激的でした。仕事に対して能動的で、ご自身のライフワークとしてすべきことを軸に考えていらっしゃるところに目からウロコでした!」

取材・文/吉川明子 撮影/朏亜希子(編集部)
構成/川端里恵(編集部)